第一話 第二部 千代乃と購入物
「えっと…まず鏡を…。」
私はメモを見ながらどの物を買うかまよっていた。値段に関しては良いのだけど…好みの問題なのだろうか。ちょっと迷っている。
「うーん…。」
そんな中、一つかわいらしくて大きな鏡があった。この大きさなら縦も横も十分足りそう。よし、これを買おう。
…………
「あとは…。」
ビテオカメラを買った。化粧品も鏡も服も。後必要になるのはマイクとかになるかな? となれば楽器屋に行こう。といってもさすがに楽器はどれを買えばよいのかわからない。どうすればよいか、迷ったまま考えていると楽器屋についていた。
「うっわ。」
私は思わず声を漏らした。広いしたくさんの楽器が置いてある。何が何だかわからなくなりそうなぐらい…。周りを見るとベースやギター、ドラムなど多くのものが並ばれていた。そして探していくと…。
「あった。」
そこにはたくさんのマイクと録音機があった。びっくりするほど多く、値段もピンキリでたくさんある。これは…かなりまよってしまう。
「うーん。」
見た目だけ気に入ったものだとマイクで2万というものがあった。でもこれが本当に良いものなのわからない。初心者の私にとってみればどれが良くてどれが悪いものなのかわからない。
「うーん……。」
私は悩みに悩んでいた。見た目を選ぶか…それとも店員に聞いてほしいものはどれかを聞いた方が良いのだろうか…。
「ん? 何か迷っているの?」
子供っぽい女声が横から聞こえてきた。私は声のする方を向くと黄緑色の髪をした女の子が立っていた。背中にはギターカバーらしきものをしょっている。音楽をやっている人なのだろうか?
「えっと、あなたは?」
「あ、ごめんごめん。ここの常連で! 見かけない顔だし、迷っているように見えたからどうしたのかなーって。」
「そ、そう…。私、マイクと録音機材が欲しくて…。」
「本当!? それならこのマイクとか良いと思うよ!」
そういって指差したものは先ほど気になっていたあの2万マイクだった。これが良いものだったのだろうか。
「正確に音を拾ってくれるし、しっかりとした音が聞こえてくると思うよ。私もそれは持っているから是非お勧めするよ。」
「あ、ありがとうございます。…そしたらこれにしようかな…。」
私は気に入ったマイクを手にとってずっと眺めていた。これからずっとお世話になるマイクになっていくのかぁ…。
「何か音楽始めるの?」
黄緑髪の子がニコニコと声をかけてきた。
「えと……あ、アイドル。」
「わっ! すごいアイドルだなんて!」
「いや、でも私…始めようと思って今日買いに来たばかりだし…。」
そういうと黄緑髪の子があごに手を乗せてなにやら考えていた。そしてぽんと手を叩くとこちらを向く。
「それ買い終わったらちょっとお話聞かせてよ! アイドルのこと!」