第二話 第十三部 勧誘と気持ち
「千代乃、大丈夫? 顔色悪いよ。」
「だから言ったでしょ…私って体力無いから…。」
私は息を切らしながら柔軟を終えた。柔軟なのにこんなに疲れるなんて…というよりは息を止めている時間とかがあったからこうなったのだろう。胸が苦しい。
「そこのベンチで休んでいていいよ。ある程度したら呼ぶから。」
恭花さんは飲み物を手渡ししてくれてベンチまで誘導してくれた。その後は楓と共にトレーニングをしていた。その様子を見ているとうらやましくなってきた。
「私にももう少し体力があったらなあ。」
思わずつぶやいた。本当にこの体の弱さがなければ、もっと昔から友達と遊んでいたのに…。部活動も運動部を選んで楽しめたのに…。なぜこうなっているのだろう。
「どう? 少しは落ち着いた?」
恭花さんが隣に座って話しかけてきた。楓は一人で黙々とトレーニングをしている。私は飲み物を下においた。
「私は…元から体が弱いって事を言いましたよね。」
「うん。」
「……本当に変われるんでしょうか、私。」
下を向きながら細々という。前を向けない。気持ち的な問題と体力的な問題が重なっている。ずっと続けていけば出来るはず。さっきまではそう思っていた。でも明らかな体力不足、これはどうやったって補えない部分もある。…このままじゃ私、周りの足を引っ張ることになってしまう。
「変われるって気持ちが強ければ変われるよ。ただ、本当に強く思っていないとできないよ。」
恭花さんはそのまま肩をポンっと叩いた。思いがぎっしりと詰まったような叩き方だった。
「千代乃なら出来るよ。本当に変えられる。だからあきらめないで。」
そして恭花さんは立ち上がる。
「私、楓見てくるから。落ち着いたらおいで。」
恭花さんは歩き、楓のところへと向かっていった。私が本気でなろうと思うことが大事…か。




