第八話 第三十六部 フェスティバルとステージへ
「ねえ、聞こえるよね。」
「私も聞こえる。アイリングの歌から聞こえてくる思いが…。」
私達は控え室で驚かされてばかりだった。そして…私達の考え方と全く同じ…。これが…アイリングが伝えたいこと。観客を笑顔にさせること…。
「私達も…この思いを伝えられるかな。」
「大丈夫、私達ならできるよ。だって私達は。」
「最高の仲間であって…。」
「友達だから…。」
私達は誰もが同じ思いでいた。この仲間たちとなら何も怖くない。ライブだって最高のものを見せることができる。だからこそこの体も乗り越えていけた。だから私は…!
「ピュアプラチナさん。準備お願いします。」
「皆、いくよ!」
「おー!!」
私達は声を掛け合ってそれぞれの出入り口へと移動する。もうアイリングは最後の曲の途中に入っている。そろそろ…ハイタッチの時もやって来る…。
「皆! ありがとう!」
準備が出来終えると同時にアイリングの曲が終わる。そしてものすごい盛り上がり…。アイリングに出会えて…良かった。
「今日は本当にありがとう! そして…最後アイドルも応援してあげてね! それじゃあ…ラストスパート! いくよー!」
紅音さんが声をかけると同時に私たちの曲が流れる。それを聞いた私はすぐにステージへと出ていった。
「……!」
そこには…たくさんのペンライト、お客さん、そして…大きな声が聞こえてきた。私は…私は…!
「千代乃、頑張って!」
「紅音さんありがとう! 御疲れ様!」
パチン!!
「キャアアアアアアア」
私と紅音さんがハイタッチすると大きな歓声が沸き起こった。そして紅音さんの手から強い思いと勇気を届けてくれたと思う。…頑張るよ、私!