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第八話 第十六部 フェスティバルと皆で
「おはよう楓。曲はできたの?」
「千代乃! うん、出来たよ。すっごく良い曲が出来上がったんだから!」
「お、来た来たー!」
「さてと…私達も聴く準備をしなければね。」
楓がピョンピョンとはねるように歩きながら練習場所にCDを持ってきた。そして音楽を流し始める…。
「さてと…じゃん!」
そして音楽が流れてくる…おしゃれで…ちょっぴり昔っぽい。だけど…私達には分かる。楓の思いがぎっしりと詰まった一つ一つの音。それがものすごく胸に響いていた。この曲なら…フェスティバルでも…!
「すごくいいよ! 本当にすごい!」
「ありがとう! えへへ。」
「それじゃあ私達も発声練習しましょう。」
私達はすぐに歌えるように準備をし、声を出す。それを聞いた楓が目を丸くする。
「あれ…いつの間にそんなに上手くなったの?」
「えへへ、実は特訓していたから…! 楓のために!」
それを聞くと楓はすぐに笑顔になって私達の隣に立った。そして一緒に発声練習をする。これなら…楓に負けないほど…!