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第八話 第十三部 フェスティバルと閃き
「どう? 楓。」
私たちは楓のいる元へと戻っていく。しかし楓がバッと手をだして私たちを止める。目をつぶって…真剣に聞いている。何か…つかめたのだろうか。ジャンルは…昔のアイドル曲。それに片手にはジャズの音楽。これを…融合させるのだろうか。でもこれはかなり難しいのではないのだろうか。
「うん…うん。そうか…これかな。」
「なになに! 出てきた!?」
「うん。出てきた。これは…いける!」
楓はCDを手に持つとすぐにレジへと向かっていった。楓のキラキラした顔が…戻ってきた気がする。
「ごめんね三人とも、これしっかり聞いて家で作りたいから今日はこれで帰るね!」
楓は全力で手を振ってお店から出て行った。私達はキョトンとしたがすぐに笑顔に変わった。また…楓の素晴らしい曲を…歌えるのだから…!
「さて…。私達もそのすごい曲に負けないような歌を歌えるように練習しよう!」
「となると…この後は…。」
「カラオケだ!ワーイ!」
「こら、店の中ではしゃがないの!」