第八話 第十二部 フェスティバルとその先
「ねえ、私たちがこれから目指していくもの。トップアイドルなのは変わらないけど…その先って何があるのだろう。」
私はヤングアイドルフェスティバルのポスターを見ながらふと思ってつぶやく。常に疑問に思っていたことだ。自分が変わるために始めたアイドル活動、それがここまで大きくなっていった。恭花さんもアリスもポスターを私と同じように眺める。
「それはいってみないと分からないと思う。もっとすごいものが広がっているのかもしれないし…。でも…きっとすごいものだよ。」
「私もそう思う。その舞台に立ってみないと分からないものがあるはず。だから私たちはそれを目指して頑張っている。そしてそれは私たちの想像を超える素晴らしいものだと思うの。」
「私たちが…分からないもの。」
二人は夢を持って語ってくれた。私には…そうか、私が見てみたいものは…。
「三人とも! ちょっと時間かかるかもしれないけどいいかな?」
「あ、うん! 大丈夫だよ。」
楓はいくつかの曲を聴いている…楓にも夢が見えているはず。私の見たい世界…そう。
「皆の笑顔が…見れるのかな。」
「きっとそうだよ…。しかもそれだけじゃないと思うよ。」
「もっと、世界スケールで、宇宙スケールでドーンと! でかいものが広がっているはず!」
二人とも笑顔で私に答えてくれる…。私の目指す世界が…その先には。