第八話 第十部 フェスティバルとピックアップ
「ここだよね。どんなお店があるのだろう。」
楓はすごくうれしそうな顔でお店を見る。見渡す限りCD、CD。それだけではない。ライブチケットの販売や楽器、音楽雑誌などたくさんのものが売っている。楓は目を輝かせている。
「千代乃、このお店すごいよね。」
恭花さんも嬉しそうな顔でお店を見渡している。アリスも目を輝かせている。いつも来ているはずなのにこの楽しんでいる様子、たしかにすごい場所だ。私も…いろいろ見渡したくなる。こんなお店があるなんて知らなかった。
「ねえねえ! これ見て! 私たちのCDがピックアップでのっているよ!」
楓が大きな声で指をさす。まさか、そんなことがあるなんて。疑いながらもその場所を見る。
「本当だ。私たちのCDだ。」
「すごいすごい! 私たちのCD、こんなに人気になっているなんて!」
「それに見て。けっこう売れているみたいだよ。」
こんなことがあるなんて…私たちの励みになるものがまた一つでてきた。頑張らないと…もっと上を目指して…。
「あ、もしよろしかったらこちらの紙にサインいただけますか?」
「あ、はい。」
店員が私たちに問いかけてくれた。ボードの紙に書いてサインを出せばさらに売り上げ率が上がるのだろう。さて、これを書き終えたらそろそろ…楓のために本題に入らないと。