第八話 第六部 フェスティバルと作曲者
「よし、トレーニング一通り終わったから…千代乃。」
「うん。優衣さん、これからお見せしますのでこちらにお願いいたします。」
恭花さんに声をかけられて私はうなづく。これから三人にお見せしなければならない。私たちの歌とダンス、そして団結力を見せるチャンスなはず。今ならかなり良いパフォーマンスを見せることができそうだ。
「楓、そういえば今回の曲も楓がメインで作ったの?」
「今回はいろいろと協力してくれたのだけどメインで音とかは私だね。」
「いいね、私たちは曲を作ってもらっている身だからそういう人がいてうらやましいよ。」
楓と香澄が仲良く会話している。そういえばそうだ。私たちは楓が作ってくれている。しかしスノーフェアリーのメンバーはどうなのだろうか。
「そうかな? でもスノーフェアリーは誰に作ってもらっているの?」
楓が聞いてくれた。すると優衣さんがそれに対して携帯を取り出して写真をみせてくれた。
「これが私たちの曲を作ってくれている人。本間春香さんよ。」
「あ、私知っている! この人のソロで活動していた公開作曲ライブに参加したことあるの。とっても良い曲を作っていて雰囲気が良かった! 今ではもういろいろと引っ張りだこだし有名人だよ。」
「へぇ、やっぱりそんなすごい人が手掛けているんだね。」
「でも私たちと同じ学校だったというのと昔からの知り合いで。本当にお世話になっているし、実は私たちが初めてアイドルやり始めたときからずっと作ってくれているのよ。」
こういう出会いってやっぱり重要なのか…。私は本当に楓に出会えてよかったと思う。そしてダンスを教えてくれる恭花さん、アイドルとしてのかわいらしさを教えてくれるアリス、出会ってくれたことが本当に感謝したい。
「よし、それじゃあやろっか。」
私たちは曲が始まる前のポーズをとる。スノーフェアリーの三人に…見てもらうんだ。私たちのダンスを。