第二話 第七部 勧誘とプリクラ
「御馳走様でした。」
私たちはお店を出るとそのまま町並みを歩いていた。そしてさっきの言葉を考えていた。
「なんでありるって人は私たちがアイドル活動をするということを知っていたのかな?」
楓が不思議そうな様子で空を見ていた。恭花さんもうなづきながら考えていた。心当たりがあるとすれば楓と共にアイドルを始めると声をかけたときか…カラオケの時とかかな。でも…どこにもいた記憶なんて全くない。本当にあの人はなんだったのだろう。行動も不思議な感じだから不思議っ子なイメージが頭にしみついて仕方がない。とりあえず、今は深く考えすぎないことにしよう。
「ねえ、せっかくここまで来たからプリクラ撮ろうよ!」
楓はゲームセンターを指さして言った。
「いいけど?」
「でもなんでプリクラなんて…。私プリクラ撮ったことないし…。」
そういうと楓はまあまあと言いながらお店の中に誘導してきた。そしてある場所までたどり着くとあるものを指さした。
「これよこれ。」
それはアイドルやアニメの衣装となる…コスプレだった。
「こ、コスプレ!?」
「で、でも……たしかにここにはアイドルの衣装も置いてある…。こういう服を着て皆の前に出なきゃいけないんだよね…。」
「そう! だからここで一度慣れておいたほうがいいかな! って。幸いにもレンタル料金はかからないから。さて…やろうやろう!」
そういって楓はすぐに服を選んで更衣室に移動していった。私も恐る恐る選ぶと隣の恭花さんも照れながら指さした。そして同じく更衣室に入った。
「さ、サイズは…。」
私は服を着替えると意外にもぴったりとあっていた。フリフリの服を着ている私…自分を見ているだけで恥ずかしくなってきた。でも…似合っているのかな?
「ど、どうかな?」
私は外に出てみると楓が目の前に立っていた。楓の衣装も同じものだったが、かなり似合っていた。というかアイドルそのものじゃないかな? 着こなしている。
「千代乃ちゃんもあっているね!」
「あ、ありがとう。」
そして最後に恭花さんが出てきた。恭花さんは体系も大人っぽいから体のラインが綺麗に見えていた。かなり似合っている。でも本人はかなり恥ずかしい様子だった。
「すごい恭花さん!!」
「ほ、本当にすごいね。」
「み、見ないでよ。恥ずかしい。」
そういいながらも内心ノリノリなんだろう。私だってノリノリなんだから。
「さて、撮ろう撮ろう!!」