第七話 第十三部 クリスマスと私らしさ
「うーん…。私も歌詞を手伝ってといわれたけどいざとなると…。やっぱり悩むよなぁ…。」
私は楓に頼まれた一部の歌詞をお願いされた。それは私だけではなく恭花さんやアリスにも言われた。皆頭抱えて考えているのだろう。私も…良い作品を作るには私らしさを入れなければ。以前ソロで使った歌詞からすこし連想させるのもアリだけど、もう少し新しい部分を見つけたい。うーん、どうすれば。
コトッ
「頑張って。」
「あ、お母さん。ありがとう。」
「何かあったら相談しなさいね。いつも一人で抱え込んじゃうのだから。」
一人で抱え込む…たしかにそれは私っぽいかもしれない。でも…こういうときはお母さんに聞くのも…。
「ねえお父さん、お母さん。私らしさって何かな?」
「ハッハッハ。昔から無鉄砲なのは知っているがな。」
「もう! 最近はしっかりと考えてやっているんだからね!」
「でも楓の暗い顔はいままで見たこと無いわね。いっつも楽しそうにやっているから。それがお母さんにたくさんの力を与えてくれているのよ。」
「お父さんも楓の笑顔が見れるのが一番の幸せだからな。」
「えへへ。ありがとうね、なんとなくわかった気がする。」
「また歌詞か。がんばれよ。」
「母さん。私の特徴って何かな? アイドルで自分らしさを詰め込んだ歌詞にしようと思っているの。」
「今まで運動部だったからアイドルっていうのが信じられないからねぇ。いままで経験してきたことをどんどんぶつけてみたら?」
「辛い練習のこととか?」
「そそそ。」
「ふーん。もうすこしじっくり考えてみるよ。」
「ねねね、私らしさって何かな?」
「ありるはね、かわいい! あとかわいい!」
「それ結局可愛いだけになっているよ。私は…真面目な所かな?」
「電波で宇宙人っぽいところ!」
「あはは、いっぱい出てくるね。迷うなぁ。」