第六話 第十七部 文化祭と協力
「いっえーい!!」
「こんにちはーー!」
私たちは声をかけると拍手と大きな声が聞こえてきた。今日は楓がいつも以上に盛り上げてくれている。私は楓に今回の司会を任せた。楓はあれよあれよという間に開場を盛り上げてくれる。そして笑いもとってくれたり私たちの気持ちをリラックスしてくれる発言もしてくれる。歌う前には決まり文句を言って盛り上がりを最高潮まであげて曲に入る。このスキルは私には持ってない。楓だからこそできることだ…!
「へーい! ありがとー!」
今回も息は上がってしまったが、思い切りよく歌うことができた。そして盛り上がりも日に日に増してきている。私たちのライブが…人の心を動かしているのだなと思うと…すごく嬉しい気持ちになる。
「それじゃー! また後でCD売るからよろしくねー!!」
私たちは手を振って開場を後にする。しかし盛り上がりはさめないまま終わっていった。やっぱり…この舞台にもう少し立っていたい。早く曲をもっと作って立っていられる時間をとりたい。それが本音だった。
「御疲れ様!」
「うーん…一つ相談があるんだ。」
「どうしたの? ライブ大成功したのに浮かない顔して。」
私は椅子に座ってちょっぴり小さなため息をついた。
「もっと…あの舞台に立っていたいの…。歌って踊って…皆の喜んでいる姿を見たいの。」
「そっか…。それならまず文化祭のライブが終わったらすぐに曲作りに取り掛からないとね。」
「もちろん! 千代乃のためなら私たちは頑張れるよ!」
「私も協力するんだから!」
私の要望に皆がこたえてくれる…なんて優しい人たちなのだろうか。私もそれに答えるように…もっとすごいものを見せられる、作れるようにするんだ…!