第六話 第十三部 文化祭と野外ライブ
「お時間です、お願いいたします。」
「はい!」
私たちは元気よく控え室を出ていった。今回は野外ライブということで一番最初にやったときと同じイメージでやれば良いかな。そんな気持ちで私は舞台の方へと移動していく。
「キャー! 千代乃!!」
私は声のする方を見るとクラスの皆が見ていた。男子の人たちも手を振っている。私は少し恥ずかしく思ったけれど、笑顔を見せて手を振った。そして近くには先生たちも見に来てくれている。もちろんファンらしき人たちもたくさんやってきている。恭花さんの学校の時よりも……多くの人たちが見に来てくれている。そして…手前側の右奥にお母さんの姿もあった。頑張って良いところみせなきゃ。
「こんにちはー!!」
「こんにちはー!!!!」
私が声をかけると会場にいる人たち皆が声をかけてきてくれた。校舎からは窓からみてくれている人たちまでいる。私は楓と恭花さん、アリスの顔を見てうなづいた。私たちはポーズをとって曲が始まるのを待っていた。それだけでもすごい盛り上がりになっている。…見ていてね、これが私のアイドル…!
「きゃああああああ!!!」
全てを歌いきると大きな声援が沸いた。今度は私もひざに手をつかづに立ったままいられた。これも…成長なのかな。
「ありがとうううう!!!」
「わぁあああ!!!」
声をかけるとまた盛り上がる。それは私だけではない。楓も恭花さんも…アリスも。皆がいてこそのこのアイドル。ピュアプラチナなんだ。純粋で…アイドルに対してひたすら前を向き続けて…。
「これからもっ! 宜しくお願いします!!」
私は手をあげてお辞儀をする。歓声と拍手が沸き起こっている。私は手を振って舞台を降りていく。しかし…これがけっこう辛かった。もっと…もっと舞台の上に立っていたい。そんな気持ちがこみ上げていた。