第二話 第二部 勧誘と秋葉原
日曜日、私は集合場所になった駅前で待っていた。秋葉原、いろんなアイドルグッズなどが売っている場所。それにしても人が多いのなんの、迷ったり待ち合わせで会えなかったらどうしよう…。
「千代乃!」
そんな心配を打ち消してくれるように楓がやってきた。何かかわいらしい服を着ていた。私も新しい服でよかったかな。
「楓ちゃんすごく似合っているよ。かわいらしくてなんだかいいね。」
「アイドルだからかわいくしなきゃね。そういう千代乃もかわいい服着てるよね。」
「ありがとう。あとは恭花さんだけかな。」
私は靴をトントンとして整えていた。すると、遠くから恭花さんが見えてきた。
「あ…こっちです!」
私は手を挙げて居場所を伝えた。恭花さんは気づいてくれてこっちに来てくれた。
「どうも、カラオケ以来ですね。夜桜恭花です。」
「どうもです。九石千代乃です。」
「旋風楓でーす!」
私たちはそれぞれ挨拶すると予定していた場所へと歩いていった。まずアイドルがどういうものなのか、グッズを見て確認することにした。いまどきの流行、服装や曲。いろいろなものを見なければいけないからだ。
「千代乃は何でアイドルやりたいなって思ったの?」
「自分が変わりたかったからです。いままで部活動やったことなくて…。体も弱かったのですが、今回勇気を振り絞ってやってみようと思ったからです。」
「なるほどね。それはとても良い考えだと思うよ。顔つきも本気に見えるし。それじゃあ楓は?」
「私はいままでバンドとかで音楽を続けてきたのですがなんか…違うなって思って。新しい音楽性を探しにアイドルを始めようと。」
「それはいいね。私は運動部だったからこういうのやってみたかったし…。でもまだ決めきれないところがあるのよね。」
そんな会話をしている間にアイドルグッズショップにたどり着いた。私たちは店の中に入ると男の人たちが多くいた。ちょっと入りがたい雰囲気だったため、私は思わず足を止めてしまった。
「大丈夫、私たちは参考にするために来たのだから。ファンは大切にしないと。」
そういって楓はてくてくと店の奥に入っていった。私と恭花さんもそれについていくように歩いていった。
「ほら、こんな服装が今人気らしいね。」
そこにはアイドルの写真集があった。制服をちょこっと派手にしたもの、それこそフリフリのかわいらしい服もあった。しかもよく見るとひとりひとり違う服を着ているようにも見えた。ものすごく凝っていることが写真だけでもわかってきた。
「すごいね…。服、私デザインして作ってみようかな。」
「えっ!? 千代乃ちゃん服作れるの?」