星座の唄
青くて輝いてて
彩られていたあの冬
魚座の星は
絵空事の恋愛ごっこに
溺れていたのね
渇いた部屋で聴かせてくれた
ギターの弦を弾く指
苦しむ私の心を
消し去ることもできない
小雪のような指先
さよならを言う日が
自然と分かっていた
水中であぶくを吐いて
責めたてても無意味で
そうして肺が潰れてゆく
駄目なんだって
近すぎたんだって
伝わらないんだって
手遅れなんだって
どうしたら戻れたの、ねえ
泣けば泣くほど
握った手は冷えていく
ぬくもりも思い出せない
音色も聴こえない
乗り越えた季節を返して
ばらばらにずたずたに
引き裂かれた私の冬
ふらふらになるほど酔って
別々の春を迎えて
星はそれでも泣いていた
真冬の星座は消え
見苦しく恨みながら
矛盾でも愛してた
目覚めれば誰もいない
もう私を忘れたかしら
病のように夢中だった私
ゆらゆらと空から落ちて
夜更けの海に沈むの。
魚座の魚が溺れるというのは、いかにも滑稽ですが、魚が溺れるほどの深い恋愛、という意味で描いたものです。冬の別れは特に辛い気がします。