第五話 胡瓜草のおまじない
何故だか 学校に行くのが怖くて 大切な 胡瓜草の押し花のしおりを握りしめて 家を出た。
胡瓜草の押し花は 私が生まれて初めて 作った押し花だ。幼い頃から 雑草が好きだったのだ。
仕方ないだろう。 私自身が 雑草タイプなのだから。似た者同士ってことだ。
というか 学校が 怖い。 紫香くん 挨拶してくれるかな。 頑張ってって 言ってくれるかな。
まあ。 頑張ってなんて 一度も言われたことないけどね。
昨日 あんなメールしなきゃよかった。だから 胡瓜草に 頼ってるんだよね。
はぁ。 やっぱり 間違ってたんだよ。
すごい。 習慣って恐ろしいね。 今 気づいたけど ちゃんと 教室に 荷物おいて ジョウロに 水くんでる。
うじうじしてたら ダメだわ。 行動が 遅くなって 紫香くんの 登校時間までに 学校周りを半周出来ないよ。
よし 頑張れ 私。
全ては 紫香くんに会ってから 始まるのだから。 紫香くんに 会えないなんて あり得ない。
遅かったのか…… 紫香くんが 居ない。連絡も 来てないし 病状が良くないのかも。
いや。 教室に戻ったら きっと居るよ。 大丈夫。
居ないね。 うん。 何でだろう。 紫香くんが 居ないと 一日が短く感じる。 だって もう 今日が終わっちゃったんだよ。
帰ろう。 早く。
はあ。 もう寝ようかな。 寝る前に 携帯電話もう一度だけ 確認しよう。
紫香くんから 連絡来てないかな。
淡い期待を胸に 携帯電話を開く。
嘘…… 本当に 紫香くんから 連絡来てる。 何でだろう。 あれかな。 今朝の胡瓜草かな。
嬉しい。 こう言うことが 起こるから 胡瓜草に 頼っちゃうんだよな。
胡瓜草に 惚れそう。 なんてね。
★愛しい人へ真実の愛
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