表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/40

第三十九話 ヘリクリサムの魔法

泣き疲れて眠ってしまったのか。


目が覚めると夕日が綺麗だった。


でも私は倉庫の中にいたはず。 草の上でなんて寝ていない。


倉庫の中で蔦葉つたばくんに会って。


今の私の状況がよく分からないけど 帰らなければならないから 教室へ向かう。


荷物を取りに行かないと。


教室に戻ると ピィナもコッコもいた。


声をかけても 気づかなかった。


後ろから 肩を叩いて驚かせようとしたけれど 私の手は 二人に触れられなかった。


すり抜けるわけじゃない。 私の目から見ると触れているのだが 感覚がない。


二人も 触られた感覚はないようだ。


私は幽霊にでもなったのか。


私の席に目をやると 荷物はなかった。


そもそも 机がなかった。 後ろの席だったから無くても そんなに違和感はない。


私の存在がないようだから 幽霊だと仮定しよう。


ならば鏡を見れば 映るのか。


期待はずれだ。 ばっちり映っている。


無機物には触れるのか。


金属に触っても温度は分からない。 それより 無機物は 私の手がすり抜ける。


触らないと困るものは触れる。 床とか。


人の家とか 不法侵入し放題だ。


私の記憶は皆持っているのか。 どうやって確かめればいいのだろう。


ひらめいた。家に帰って 家族の行動を見ればいいのか。


私が存在していたなら 私の部屋があるだろう。


私の家に不法侵入して 階段を上がる。


さらに私の部屋にも不法侵入する。 が そこは私の部屋ではなかった。


私の存在が危うくなってきた。 私の記憶の信憑性が疑われる。


私はこの世にいたのか。 もう分からない。


自分の家に居づらくて 学校の裏の倉庫に向かう。


倉庫の前に蔦葉つたばくんがいた。 きっと向こうには見えていないとおもったら 違った。


「どうしたの。 こんな夜に。」


蔦葉つたばくんに会ったことで また涙が出てきた。


蔦葉つたばくんだけは 見えてるし触れる。


★永遠の思い出 記憶

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ