第三十四話 アカンサスの花瓶
水やりを終え 教室に戻る。 扉を開けて コッコが駆け寄ってくる。 いたって普通。
クラスメイトの女の子が悲鳴を上げた。
ガシャンと ガラスの何かが割れた。
花たちも散らばった。
クラスメイトの手には 切り傷ができていた。
深い。 痛そう。 私もだが その場にいた殆どの人は 立ち尽くしていた。
そういえば この教室 花瓶あったんだ。 比較的大きな破片を見てみると アカンサスの葉の柄だった。
手を切った女の子は 傷口を押さえて 保健室に。 おっと 私が行くべきじゃないか。
私は 保健委員だ。 いくら 植物の世話係と化していても 保健委員なのだ。
万が一先生が職員室にいたら 保健室まで往復しなくてはいけない。
だから 女の子は保健室へ。 私は職員室に向かった。
女の子の手からは 血がしたたっていたので 彼女のと私のとコッコのハンカチを渡した。
傷口を押さえたら 治りが悪くなると伝え忘れた。
いいか。 あの傷結構深かったから 押さえないだろう。 あの傷に布を突っ込むなら すごい勇気だ。
それに咄嗟に 血を受け止めていた。 傷口を押さえたりしていなかった。 大丈夫だ。
うん。 先生も保健室にいるようだ。 無駄足だったか。
取り敢えず 保健室へ行こう。 何かあったら困るし。
先生がいなかったとか。 血がしたたって ドアが開けられないとか。
ドアが開けられない可能性は 大いにある。 忘れていた。
片手は切れていて 片手には血まみれの布を持っている。 ドアなんか 開けられるか。
何故1人にしたんだろう。 取り敢えず一緒に保健室に行けばよかった。
そして 先生がいないなら 私が全力で走ればよかったじゃないか。
先生が 気づいたのか 取っ手が真っ赤になってはいなかった。
中に入ると先生は 慌てていた。
私は先生に声をかけて代わり 先生は 病院に電話した。 1人では いけないので 私もついて行くことになった。
花瓶って あんなに切れるのか。 恐ろしい。 気をつけねば。
★美術 精巧 離れない結びつき




