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第三十三話 白詰草の花冠

結局 蔦葉つたばくんとコッコは 演劇の大会が近いとかなかんとかで来なかった。


つまり 私1人だ。


仕方が無いから 早く写真を撮って 帰らねば。


でもまあ お昼ご飯まで ちゃんと持ってきているのだ。 折角ならば ここで食べて行こうか。 1人寂しく。


写真のセンスは 全くと言っていいほどないということが 身にしみてわかった。


もういい。 一番最初に撮ったものが一番良かった。


お昼ご飯を食べて 再チャレンジしてみたら いいのが撮れるかもしれない。


朝から早起きして作ったお弁当を 1人で食べる。


小さな子供も数人いる。走り回って危ない。


子供はあまり得意じゃない。 特に男の子。


お弁当を食べていた箸を休め 近くの白詰草を千切る。


そして花冠を作る。 紫香しこうくんがいれば あげるのにと思いながら。


これが 中々熱中してしまって 気づけば私の周りに 子供たちの輪ができていた。


完成し そのことに気づくと 花冠を近くの子供に押し付けて 思い出したように お弁当を食べ始めた。


押し付けられた子は 男の子だったらしく いらないだの何だのと騒いでいたが気にしない。


これだから男の子は。


もう 食欲が失せたじゃないの。


女の子たちは もっと欲しいと せがむように見ているし 男の子たちは 解体しようとしている。


女の子は 多少可愛いと思えるから 花冠の製作に取り掛かった。


白詰草は 男の子たちが集め 女の子が選定し 私に一本ずつくれる。


私は延々と編み続ける。 いいところで 終わりにしたい。


もう 何個作ったと。 女の子は 女の子で この技術を早く身につけて欲しい。


見ていたらわかるだろう。 覚えるのだ。


それに 今大量に作ったとしても 枯れて しなしなになって 茶色くなって バラバラになるとわかっているはずなのに。


来週も 花冠が欲しいなら 自分たちで作るのだ。


日が傾いた頃 1人が時間だと言い出し 花冠を 1人あたり2個ずつ持って帰った。


ああ。 今日私は何しに来たんだっけ。


★約束 復讐 私のものになって

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