第三話 愛しのライラック
「お弁当食べよっ」
コッコは お昼休みになると 何故か イキイキしだす。 理由はわかってるよ。 食べるの大好きなのは バッチリ伝わってくるしさ。
適当に返事をして 立ち上がったら コッコが
「今日 天気いいし 屋上で食べよ! 」
別に 場所なんてこだわったことないから 適当に返事をしたら コッコが 不満そうな顔をした。 私が冷たいのなんて いつものことだろう。
そういえば 屋上なんて 私 一度も入ったこともないや。
ガチャリ
重そうな ドアを開けて コッコは スタスタと 進んで ベンチに座って 手招きした。
その間 私は 始めての 屋上に 感動していた。
「ねぇ 今日 本当に 機嫌悪いよ。 そういえばさ 紫香くん 今日 学校来てないよね。」
コッコは こんな子なのに 観察眼が ものすごい。 私が いつも以上に冷たいことに気がついたうえに 何故かまで 気づくとは。 恐るべし。
「やっぱりね。そんなことだろうと思った。」
顔には出にくい人だと 自負していたが コッコに お見通しだとは。 本当に 図星だよ。
「紫香くんいないと 本当に 機嫌悪いもんね。」
はいはい。 そんなに いじらなくても いいじゃないか。 素直に 恋してるんだよ。 放っておいてくれよ。
「紫香くん好きなら 告っちゃえば いいじゃん。」
コッコ。 そんなに 人生 甘くないんだよ。 ふられたときのこと 考えてみろよ。 コッコも なんだかんだ言って 花壇の花タイプだから 雑草タイプの 悩みは 分かってくれない。
特に 恋の悩みなんかは。
「紫香くん 今なら 彼女なしだよ。 フリーだよ。 今しかないよ。」
なんだよ。 紫香くん 特売品みたいになってるだろ。 やめろよ。
紫香くん 元気かな。 なんか 不安になってきた。 メールでも してみようかな。
「あんた 今 紫香くんに 連絡しようとか 思ってたでしょ。」
またも 図星。どうすればいいのかな。 なんで こうも紫香くんの事に限って ばれちゃうかな。
まあいいや。 帰ったら 紫香くんに 連絡しよう。
コッコなんて 気にしてたら 紫香くんに連絡なんて 一生できないよ。
なんて連絡しようかな。
★ライラック
恋の芽生え 思い出




