第十九話 寝る前のピラカンサの香り
歯を磨いて 口の中もスッキリした。 さあ 寝よう。
電気を消して 布団に潜り込む。何も考えないで 寝ようと思っているが やっぱり紫香くんの事が頭に浮かぶ。
紫香くんの事 本当に『好き』なのか わからない。
こんなに 考えているのだから きっと 『好き』なんだろうけど。
というか 『好き』って なんだろうか。
やっぱりこういうのは コッコに 相談しよう。 嫌だけど。
聞いてみようかな。 ピィナも 真剣に聞いてくれるかな。
紫香くんの事 コッコも ピィナも 知ってるし。
そうしよう。 私が 1人で悩んでても仕方ない。 何も解決しないし。
紫香くんは こんなに悩んでないんだろうな。
きっと 紫香くんは いつだって 余裕で。 私なんか足下にも及ばないんだろうな。
あぁもう。 眠れない。 一回起きて ホットミルクでも 飲もう。
あれ。 誰か起きてるのかな。 リビング電気ついてる。
違うのか。 ただの消し忘れか。 誰だよ。 最後にリビング出た奴。
私が起きてこなかったら 朝まで付けっ放しだったんだよ。
誰だか知らないけど 感謝してよ。
誰だか知らないって言っても 絶対マイファミリーなんだけどさ。
本当に目が覚めちゃったよ。 恋って 大変だね。 睡眠まで妨害されるなんて。
皆よく 平気でいられるな。 本当に 尊敬。
紫香くんも 平気で眠ってるんだろうね。
ホットミルク美味しそう。 でも 温めすぎたな。 反省。
だって 湯気が。 半端じゃない。 地獄絵図だ。
また しばらくかかりそう。
私の安眠は どんどん遠のいてゆく。
諦めよう。 今日ちゃんと寝るのは不可能だ。
★時間 想い 燃ゆる想い




