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第十八話 白丁花のお世話

白丁花ハクチョウゲは 私が入学する前から ずっと 植わっている。 もうすぐ 8年になるそうで 挿し木の準備をしないといけない。


ちょっと太めの枝を探して ハサミで切る。 そして土の玉に ザクっと。


放課後に 手を土まみれにしながら。 本当に楽しいわ。


これ 本当は 保健委員 皆でやるはずなんだけど。 どこ行っちゃったんだろうね。


生徒もそうだけど 先生がいなかったら ダメじゃないのか。 私 1人ってどうなんだろう。


いいか。 もう いいや。 慣れたよ。 皆来ないのなんて。


でもさ。 やっぱり1人って 寂しいよね。 誰か 誰でもいいから 来ないかな なんて。


柄にもなく 1人が嫌になった。 あれかな。 恋の病。 初めてかも。


本当に 困る。 日に日に 紫香しこうくんのことしか 考えられなくなってる気がする。


授業中も 朝起きても 学校から帰る時も ずっと 紫香しこうくんの事ばかり。


おっと。 危ない。 また 紫香しこうくんの事考えてたから 手元が危なかった。


しっかりしないと。 恋の病って どうしたら治るんだろ。


あれかな。 紫香しこうくんから フェードアウトしたら いいのかな。 でも そんなことしたくないし。


あぁ。 もう 全然わからない。 どうしろって言うんだよ。


紫香しこうくんに会いたい。 紫香しこうくんと 話したい。


出来ることなら 紫香しこうくんに 触れたい。 出来ることなら ね。


ダメだわ 本当に。 紫香しこうくん以外のこと 考えろって。


白丁花ハクチョウゲといえば 純愛 だな。 純愛といえば 一途 片思い 紫香しこうくん。


無理やりでも 紫香しこうくんに繋がっていくな。 もう 本当にやめよう。


でないと 白丁花ハクチョウゲも 可哀想だし。 もっと 真面目にやろう。


よし 紫香しこうくんの事は 挿し木が終わるまで 封印する。 決めたぞ。


終わるまで。 終わるまで。


あと少し。 あと少し。


我慢。 我慢。


★純愛

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