第十話 アイリスの手紙
『誕生日おめでとう。
蓮華草のチョコレート 人気だって聞いたから。
喜んでもらえると嬉しいな。
それと いつも何時から 水やりしてるか教えてもらえるかな?
もしよかったら 教えてね。
伝えたいことがあるんだ。』
チョコレートを食べながら 紫香くんからの手紙を眺める。
やはり あの覗き見事件 知られているのか。 もし そうだとしたら 私 消されるのだろうか。
ま。 そんなわけないけどね。
紫香くん なんだろう。 伝えたいことなんて。 わかんないな。
取り敢えず 来週会ったら 水やりの時間 教えてあげよう。 早いぞ。
いや。 それにしても美味しいな。 このチョコレート。 『蓮華草』のチョコレートは 可愛い上に 美味しい。
文句のつけようがない。 最高だ。 『蓮華草』の店主は 背の低くて可愛い おばあちゃんだ。 チョコレートも おばあちゃんに似て 美味しいのか。
『蓮華草』のチョコレート また 買いに行こう。
紫香くんに 話しかけるの 緊張する。 今から 緊張。
あれ。 ない。 もうチョコレートたべちゃった。
勿体無い。 明日また 食べようと思ってたのに。
そういえば紫香くん なんで私の誕生日知ってたんだろう。 コッコは つまらない嘘なんて つかないし。
私の誕生日 知ってそうな人に 聞いてみようかな。
あ。 明日話すんだし その時聞いてみよう。 本人に。
あぁ。 早く 早く来週にならないかな。
ふぁ〜ぁ。 眠いな。 もう 寝よう。
…………。
やっぱり 眠れない。 紫香くんが 頭から離れない。
★恋のメッセージ 伝言




