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皇国神話奇譚  作者: 橘花
3/3

葦原中国平定

-日向 高千穂河原-


ここには、極秘で進められている天孫降臨計画の最初の開始地点であった。そして、この場所には大国宮と志を共にする同士が集まっていた。


「大国宮さん、無事で何よりです」


「ああ。日本国家保安委員会などの秘密警察が少しずつ動いているらしいが、まだこっちの実態を掴めていないらしい」


ソ連国家保安委員会に相当する日本国家保安委員会は反乱分子の逮捕など、同じような任務を負った日本の秘密警察である。そして、日本国内の軍事の中核を成す組織であった。


「日本国家保安委員会なんて名だけだ。中は大半がソ連に通じている組織だ。ソ連の組織といって言いだろう」


「だから、俺達のしようとしている事に同調しないんだよ」


国民や警察の多くは独立の為に賛同してくれた。しかし、日本は現在ソ連とそれに同調して軍事まで支配している日本国家保安委員会の傀儡国家。独立の為に倒すべき相手である。


「サンディエゴからの連絡では、二義はハワイで海外の独立の為の同志達と合流したそうだ。そいつ等を率いて、この地に降り立つ」


大国宮は古宮址ふるみやあとの石段を登った位置で皆に言う。彼も確信していた。この場所に二義が降り立つ事が、日本の民族意識に火をつけ、独立が一歩早まる事を。


「周囲にはキャンプファイヤー用の木を組んでおきます。サーチライトももう直ぐ到着しますし、花火のカーテンも用意します」


神話にちなんで、道標の為の火を用意しておく。出来る限り神話を再現したかった。



-大和 橿原宮-


「近頃、山陰山陽と筑紫島辺りで独立などと騒ぎ立てしている人間が居るそうじゃないか」


日本共産党政治局の局員、野坂重龍のさかしげたつは言う。


「はい。近いうちの行動を起こす可能性ありとも、聞いております」


日本国家保安委員会軍事部の天穂日武あまほひたけし中将は言う。


「そこでだ。君の配下の軍を率いて反乱分子を抹殺してきてくれんか?」


「言うなれば、直ぐに」


そう言って、橿原宮を出る。そして、部隊を率いて西進を開始した。




-同時刻、太平洋沖縄近海-


「沖縄を兵站基地に、日本奪還。最高ですね」


沖縄はアメリカが占領していたお陰で、皮肉にも共産化を免れて発展した。そして、アジア方面でアメリカが最重視している島である。


「それに、アメリカも気前がいいわね。こんな艦を貸してくれるなんて」


二義が乗る艦は、ユナイテッド・ステーツ。アメリカが建造し、貸してくれた航空母艦である。そして、エセックス級を海外に逃れた人たちが興した会社が買い取って強襲揚陸艦に改装した艦など、殆どが西側で開発されてそれを改造した物が占めていた。


「まあ、タダで済むかどうかは、今後次第だけどね」


沖縄に接近し、現在は洋上にて補給艦からの補給を受けている。ここから北東に進み、まずは九州へと上陸する予定だった。


「筑紫島だっけ?神話の名前みたいだけど、ややこしい名前だね」


ハワイにて合流した天久米久雄あめのくめひさお天忍日達美あめおしひたつみが言う。


「そう言わないでよ。こっちは道を知らないだ。先導してくれないと困るぞ」


「分かっています」


補給を終え、各艦が北東目指して航行を開始した。


「いよいよ、始める。日本の奪還の戦いが」

ユナイテッド・ステーツは計画中止となった核兵器運用空母、『ユナイテッド・ステーツ』です。艦容なども全く同じと考えてくれていいです。


あと、名前が神話になぞってたらわざとらしくなってきた。

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