食を求め
「夢じゃなかったにゃ」
俺はベットから飛び降り、窓から外を見ていた。
ピンク色の空にまんまるな雲。ソフトクリームのような屋根の家やここからでも見える大きな長老の家。
「さてと、学校に行く準備するにゃ」
と、その時俺の腹からきゅるる~、と小さな音がした。
そういえば昨日からなにも食ってない。まずは食糧確保か。
俺はてくてくと台所を探してみたり戸棚やらタンスやらなんやらまで探してみたのだが・・・
「ない・・・にゃぁ・・・・・・。」
何故なにもないんだ!俺にどうやって生きろと!
仕方なしに、俺は何も食べずに外に出ることにした。腹、減った・・・
外に出ると何人かのマスコ達が木(と言っていいのかわからないが)に集まっていたり、虹色の川に集まったりしている。
なにしてるんだ?
「にゃあ、なにしてるにゃ?」
俺は近くの灰色のリスっぽいマスコに声かけた。
「ん?見てわからないリスか?朝食をとっているリス」
朝食?
俺が疑問の表情を浮かべるとそのマスコは説明を始めた。
「君生まれたばかリスか?この川に住んでる魚や木の実を取って僕たちマスコは生活するリス」
まさかの原始的な自給自足・・・。
「そうなのかにゃ・・・、俺も行ってくるにゃ!」
俺には猫神様にもらったチートがある!簡単にとってやる!
俺が駆け出そうとすると、リスマスコに呼び止められた。
「まあ、待つリス。あれを見るリス」
リスマスコは川の方を指さす。
ん?と俺が川の方に顔を向けると・・・
ザパ―――――ン!!
水しぶきとともに大きな『何か』が高く空を飛ぶ。
それは、二色の鱗を持っていた。背中は黒の鱗、腹には銀白色の鱗だ。全長約3m、体型は太短い紡錘形、横断面は上下方向にわずかに長い楕円形をしている。
そのフォルムは見る物全て(ネコ科に限る)を魅了する・・・
おいおい、あれはまさか・・・・・・マグロ!??
じゃない、だって顔が・・・
「なんで・・・、なんで顔が馬面なんだよッ」
ザパ――――ン!!
水しぶきとともに奴は川へと帰って行く。
「見たリスか?奴はこの川の中でもそこまで大きくないリス。
君は、あれを倒せるリスか?僕たちマスコが体術で奴に勝てると思うリス?その答えは・・・むリス。
・・・ただし、『魔法』や『能力』を使えるなら別リスけどね」
そういって、リスマスコはにやりと笑う。正直言ってリスリス言いながら言われてもカッコイイとは思えない。むしろウザイ。ウザイリス。
「まあ、僕のことを見てるといいリス。そして僕の魔法を学んでくれリス」
ウザリスは川へ駆け出す、獲物を求め、血を求め、食事を求め、ただ一心に駆けていく。
ウザリスは言葉を紡いでいく、歌うように紡ぐ。
『我、願うは、風の息吹、世界を駆け巡る風、そs「バックン」
ウザリスが詠唱中にウマグロが飛びウザリスパックリと食べてしまった。
「ウザイリスゥゥゥゥッぅぅ!!!」
さすがについさっき知り合った人 (リスだけど)に目の前で死なれると動揺する。
周りのマスコ達が口々にリスのことをしゃべる。
「あー、いつか食われると思ったっしゅ」
「連携がなってないでん。一人いつも突っ走るでん」
「何がしたいのやん。いつもみたいに果物くってたらよかったやん」
・・・リスはそういう扱いか、理解した気にするのはやめよう。
「さて、一つ分かったことは、馬鹿が最初に死ぬことだにゃん」
本当に、勉強になりました。