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変身は無駄にリアル

「な、な、な、な、なんで私が男性と同じ部屋なんですか!」


 あー、この部屋防音性がいいな。こんだけ騒いでるのに誰も来ない。なんてことを耳をふさぎながら考える。


「知ーらーにゃーいー」


「その態度、何!むかつく!」


 エルフ娘は腕を振り上げドンドンと地団駄を踏んでいる。

 しかも混乱のあまりか敬語が抜けている。


「つーか、そんなに嫌にゃらさ、先生に言ってくれにゃ」


「なんで私が行くの!」


「君が不満だって言ったんだろうがニャ・・・」


 もう、なんなのこいつ。そんなに嫌なのか?


「はあ・・・、大体俺ってマスコだにゃ。男には見えないでしょうがにゃぁ?」


「そーれーでーもー!!いーや!」


 娘に拒否されたお父さんってこんな気持ちなのかな・・・。


 ホントにどうしろって言うにゃぁ・・・。俺が女になることなんてできないし・・・。

 ・・・いや、できるわ。


「よし、分かった。そんなに『男』が嫌なら『女』になろうじゃないか」


「へ?なに言ってんの?」


「容姿とかにリクエストは?」


「え?うーん・・・、頼れる感じで・・・?って言うかなんでそんなこと聞くの?」


「まあ見てろ・・・、つーか頼れる感じって曖昧だにゃ」


 うーん、やっぱお姉さん的な感じかな。髪は短めで、色は燃えるような赤。顔は勝気で、やっぱり釣り気味の目かな。身長は高めで胸はでっかく。先生のようなボンキュッボンを目標。 

 イメージとしてはこれでいいかな。


 それでは、皆さんご一緒に


「変・身!!にゃああああ!」


 俺のおかしな掛け声とともに変形もとい変身が始まる。

 俺の体が細胞が変わっていく。マスコの短い手と足は長くすらりと伸び、毛も消える。胴体は胸が大きくなりウエストもキュッしまる。まさにボンキュッボン。

 最後の仕上げに顔を変えていく。ボンキュッボンに不釣り合いだったマスコの小さな頭を人間くらいの大きさにする。つんとしたひげは引っ込んでいった。そして代わりに真っ赤な髪が生える。目はネコ目っぽく眉は少し細く調整する。唇はみずみずしくプルリとさせた。


「うーん!完成」


 声帯も変えたから出てくる声は女性らしい声だ。体を変えたおかげかにゃあと言う口癖も消えていた。


「どうよ?なかなかいいでしょう?」


 彼女は口を開けて呆然とした表情だ。


「はあ・・・、あなた。何か感想言いなさいよ」


 ちょっと女性風の話し方にしてみる。なかなか様になっていると思う。


「き、きもっ・・・!あと服は・・・?」


 ・・・傷つく。はたから見たら変身ていうか進化みたいかもしれないけどね・・・。

 まあ確かに服を着た方がいいかな。こんな美人(自分で言うのもなんだが)が服を着てないと問答無用で襲われる。


「そういえばさ私服もっていないんだけれど?」


「え、自分の体から作れば。・・・体から服をだす・・・?きもっ!」


「自分で想像して自分で気持ち悪がるのやめてください」


 何この子、さっきから本音ですぎ。


「それにしても・・・、いい体・・・じゅる」


「レズか!百合か!俺は男だぞ!」


「ち、違う!興味があるのは体だけです!」


「それはそれで・・・」


 怖い・・・女の子こわい。俺、襲われる・・・。絶対いつか襲われる。

 服着てなかったらベットに寝ていたところをあれよあれよと縄で縛られて・・・。


「・・・髪の毛むしり取ってでも服、作る」


「なにその決心!?」 


「・・・襲われたくない」


「襲うわけが・・・襲わないわよ!」


「今、迷った!絶対迷った!」


 結局、猫の姿に戻りました。

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