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年頃の女の子

「それでは皆さん、自己紹介も済んだところで寮の部屋割りを言うので荷物等を置いてそのあとここに集合してください」

 

 先生の言葉にみんなが自分の荷物を持ち始める。

 え、荷物?何にももってきてなにのですが・・・。


「先生、にゃんにももってきてないのですニャ」


「えーと、君は昨日生まれたという子でしたね。基本的には学校側から支給されているものだけで大丈夫です。マスコ族は服を着ませんし」


「了解ですにゃ」


 そっか、学校側から支給があるのか。なら問題ないな。確かにマスコ服着ないし、俺毛皮があるし。


「えーと、それでは番号言いますねー。バリリクス君一号室、マリネシア君二号室・・・」









「ここが俺の部屋かにゃ」


 目の前の『普通』(ここ重要)の扉を見てやはりマスコがおかしいのだと知った。この部屋に来るまでいろいろな場所をみてみたが、多少見たこともないものがあるだけでどこも普通だった。少なくともなんか突き刺さっていたりねじれたり丸まっていたりはしていなかった。


「とりあえずノックにゃ」


トントン 


「はい、どうぞ」


 少し高めの声、女性だろうかもう俺以外にだれか部屋に入っているようだ。

 うーむ、死ぬ前に俺がもう少し若かったら、高校生くらいだったら結構緊張するんだろうな。なんというか≪知らない女の子と一緒でドキドキ!≫みたいな感じで。


「お邪魔しまーすにゃ」


 俺が部屋に入るとそこには一糸まとわぬ生まれたままの美少女がいた。つまり、裸、真っ裸。

 別に興奮はしない、だってロリコンじゃないもの。


「おや、失礼したにゃ。着替え中かにゃ?」


「いえいえ、どうぞ入ってください」


 少女は俺を部屋に招き入れ着替えを開始する。

 少女は薄く青みかかったような髪色だった。元の世界では見たことのない、しかも地毛だ。そして特徴的なのは耳。横に長く、この少女はエルフなのだと分かる。


「?何ですか」


 着替え終えた少女が不思議そうに尋ねた。じろじろ見過ぎたか。


「あ、いやエルフの人って初めて見るからにゃ」


「そうですか、私もマスコって初めてみます。かわいらしいですよねマスコの人って」


「そうかにゃ?俺からしたらエルフとか背が高い美形とか羨ましいけどにゃ」


 目の前の少女も白い肌でかなりの美少女だ。百人に聞いて百人が美少女と答えてついでに聞いてない別の百人が美少女と答えるくらい美少女だ。

 あ、別に猫神様からもらった身体が不満とかじゃないから。ほんとだぞ。


「そうですか?そういわれると嬉しいです・・・って俺?」


「ん?」


「いえ、マスコの方って性別無いから、一人称が俺って珍しいんですよ?基本的に〈僕~〉とか〈自分の名前~〉とかが多いですし」 


 あー、なるほどそういえば性別無いとか聞いたな。


「うーんとにゃ、俺は他のマスコと違うっぽいだよにゃ。能力も一つじゃないし、突然変異みたいな?ちなみに性別は自分では男かなって思ってるかにゃぁ」


 曖昧な回答だが転生者って話すのもなんか面倒だし・・・。

 

「男?ですか?」


 目の前の少女を見ると呆然とした表情をしている。口を開けて目も大きく開いている。ピクリとも動かない。

 どうしたんだ?


「えっと・・・、男性?ということは?私は?みず知らない方に裸ミラレタ?これからずっと夜も共に???寝る???ワケワカンナイ」


 なんか言語が変になっている。あれ?俺の言語変換の能力は機能していないのか?

 でも、とりあえず逃げた方がいいかも。この子も年頃の子だし、男と一緒はきついかもな。俺がここに今まだとキャ―――って叫んだりする可能性も・・・。


「き、きき、き・・・・キャァぁぁァぁッぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


 おっと、予想外の音量だ・・・。


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