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白黒ヒーロー兄弟  作者: 毒林檎系大聖母
神の夫婦喧嘩
9/27

互いの想い

短いです。

トハが言う事によると。

この街が出来るずっと前、嫌い合う鳩と烏が恋に落ち、一旦は堕落したが、愛の力で全てを乗り越え、『鳩烏街』を作り上げ異世界にも足を伸ばして、一躍有名な神になった。その後、鳩と烏は結婚し、中心の鳩烏山で全ての鳩と烏が仲睦まじく暮らしている。

それから約1500年。

その鳩がトハで、烏がスラカだと言う。

だが、最近(約30年程前。)になって、スラカが権力の独占を主張し、ケンカになった。

それから春彦、秋彦が誕生。

それからトハとスラカは二人の特別な力を見出し、父の嘉彦の仕事の都合という事で記憶を操り、この街に来る様に仕向けた。




「ーーということなんだけど…。」

トハは目が回っている春彦を見た。

「僕に特別な力?!神?!ーーごめん、全っ然わかんない…」

「あぁ、この事によってこの街の運命がかわるわ。」

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!多分人違いですよぉぉぉぉぉぉぉ?!僕なんかにそんなおもぉぉぉい責任負わせる積もりぃぃぃぃい?!死にますよ?!?!」

機関銃の様に口から言葉を発する春彦。

「ごめんなさい…。でも、あなたーー春彦さんの力が必要なんです!!」

ポロポロと涙を流すトハ。

「スラカを…本当のスラカを取り戻したい…!」

「あっ、な、泣かないで!ごめんなさい!」

必死になる春彦。

「~~~……。できる限りの事はしますから。ね?」

決心をした春彦。

「ほ…本当…?」

涙でくしゃくしゃの顔を上げる。

まばゆいよ、目が回る。。

「う、ん。頑張りますんで…」

「うぅ…ごめんなさい…ありがとう。」






一方スラカの居る場所では。

「なーにが神になんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!結局はテメーのわがままじゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!!!!」

話を聞いて荒れた秋彦。

「ちげぇ!!!!俺はただ……。」

小さな沈黙。

「…トハに任せっぱなしなのは…情けないから…」

下を見て呟くスラカ。

「スラカ…」

秋彦はスラカの側に立って言った。

「お前…やるな。」

てか、多分モテ男だよな。

「わーった。やってやんよ。」

「本当か?!」

「そのために連れてきたんだろーが。」

「すまない…ありがとうな」




人間界。時が止まっていて、まるでビデオを一時停止したような風景。

ただ、その中で動く事のできる人物が居た。

「……。」

その人物がニヤリと笑うと、霧が出てきて身体を包み込み、いつしか消えてしまった。

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