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時を越えて  作者: 槻乃
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未来の記憶

翌朝、紹介所に報酬をもらいにでかけた。もちろん蓮夜もだ。

「おおお!!」

お金を見て驚いていた。

「やっべー・・すげー」

マジマジと銭を見つめている。

「ほんものだー」

「蓮夜、あたりまえだろう」

「だってさ、教科書でしか見たことないし」

本物を見るのは初めてだという。

「銭の形が変わるのか?」

「うん、小銭はこんな風に丸いけど、紙幣っていって紙のお金もあるんだぜ」

「そうなのか」

やはり未来はわからない。

「これ俺も貰っていいの?」

お金を触りながら聞いてきた。

「もちろんだ。お主がいなかったら通り魔は捕まってない」

「そっか。でも・・あげるよ」

「は?」

金の入った包みを渡そうとしてきた。

「俺がもっててもしょうがないし」

「・・・受け取れぬ」

「だってさー、俺の育った時代じゃ、これ使えないもん」

だから、どうぞといって渡そうとされた。

しかし、そこで疑問が1つ浮かんできた。

「・・・どうやって未来に帰るのだ?」

「・・・あ・・・」

「それまで、お主が自分で使うがいい」

ところはその言葉はもうきこえていないようだ。

「どうやってもどるんだろ・・・」

考えてなかったのか?こいつ。



元の時代に戻る方法を2人で考えることにした。

「先生の所に行ってみるか?」

町一番の物知りで先生と呼ばれる人の元に行くことにいした。

「おお、佑之進の坊やじゃないか」

家を訪れると早速中に入れてくれた。

「坊やじゃない。それで相談なんだが・・」

「ん?ああ、後ろのが噂のつれか」

「噂・・・?」

先生はじろじろと蓮夜を見た。

「通り魔を素手で倒した凄腕」

「・・・俺のこと?」

蓮夜は自分を指さして驚いていた。

「それで、相談とは?」

「蓮夜のことだ」

そして未来からきた人間だということを説明した。

「・・・本当か?」

「本当です」

「・・・未来か。それで戻る方法を知りたいと」

「はい」

すると一言で答えを言った。

「知らん」

「・・・」

「・・・ですよねー」

蓮夜はわかってたのかそう茶化した。

「この時代に来る前に何が起きた?」

先生はとりあえず話だけでも聞こうと言った。

「えーと・・車にひかれそうになって・・誰かを・・」

「どうした?」

「誰かを・・守ろうとして飛び出した・・」

蓮夜が混乱したように言う。

「誰か?」

「はい。誰か・・誰だ?あいつは・・・」

思いだせないようだ。

「あれ・・思い出せない」

「衝撃で忘れているのか?」

「そんなわけない!」

「!?」

いきなり叫んだ。

「あいつのことを忘れるなんて!・・でも・・誰か・・わからない」

悔しそうに言う。

「誰だ・・大事な・・人・・」

「大事な人・・?」

「大事な・・いつも一緒にいた・・のに、思い出せない・・・誰だ?あいつの顔も名前も思い出せない・・」

寂しそうに見えた。

「大事な人だった・・それしか・・わからない」

「・・・そうかい」

先生がつぶやいた。

「蓮夜、他の人の記憶は?親とか友人とか」

「・・・それは覚えてる。そいつの記憶だけ・・」

余計さみしそうになった。

「推測だが、その大事な人の記憶を思い出せば戻れるんじゃないのか?」

先生の言葉に小さく蓮夜は答えた。

「・・・そうかな」

「わからんがな。しかし、この時代に来る前の記憶がない限り解決方法はない」

「・・・わかった」

ゆっくり蓮夜はうなずいた。

「そうだよな、うん、大丈夫」

パシッと顔を叩く。

「きっと思い出せる」

「蓮夜・・」

「何?心配してくれてんの?」

「!!」

さっきとは雰囲気を変えて笑っていた。

「それは当たり前だろ・・!」

「ふ~ん・・」

立ち上がると、手を頭に載せてきてくしゃくしゃとされた。

「ありがとな」

「!!」

「なんだよ、逃げんなよ」

「っ・・」

なんだか・・悔しい。心配なんて。

「佑之進」

「何だ・・?」

「ということで、俺の記憶が戻るまで居候させてくれ」

何がということなんだか。しかし、仕方ないだろう。

「わかったよ」

そして一緒に生活するようになった。



3日もすると一緒に生活するのもなれた。

「ずいぶん馴染んできたようだな」

「まあな」

今は剣の稽古の真っただ中。

蓮夜が教えてほしいといってきたのだ。

「しかし・・筋はいいな。剣道しておったのか?」

「んー・・たぶん、思い出せないあの人のことに関係してると思うんだ」

「?」

「あの人が剣道をしているのを見ていた気がする」

曖昧なのはあの人のことだからなのだろう。

「だから・・こういうことだろ」

メン!と竹刀を頭上にもってきた。

「・・・そういうことだ」

教えて3日。蓮夜の腕はかなりの上達していた。

「さて、飯にするか」

「おう」

蓮夜が作るといって料理を作ってくれた。なかなか美味だった。

「お主の時代では男も料理をするのか?」

手なれたようにみえたから。

「もちろん。まあ、俺の家は両親が共働きだから俺が作ること多かっただけだけど。母さんもちゃんとつくるぞ」

「両親か・・」

「ん?」

「・・・いや・・いい」

「なんだよ」

聞いてもどうしようもないことなのはわかっている。

「気にしないでくれ」

「ふーん・・。あ、そういえばさ、前から思ってたんだけど」

「な、何だ?」

「お前・・」

「・・・」

「金持ち?」

いぶかしげに見てきた。

「な・・ぜ?」

「なんかさー、他の町の人と話し方違うし、ちょっと気品あるような気がするし」

「それは他の町から来たからで・・」

「そうなのかなー・・」

うーん、と唸るもそれ以上は聞いてこなかった。

そう・・なぜここにいるのか知られるわけにはいかないから。


昼を過ぎると紹介所に行くために町に出ていた。

次の仕事も見つかり、帰りは茶屋によることにした。

「こらあ!!」

目の前を年ごろの娘が怒りながら中年男性を追いかけていた。

「待ちなああ!!」

「ひいいい」

男は悲鳴を上げるも楽しそうに逃げ回っていた。

「ったくもう!ほら、お代払って行きなさい!」

どうやら悔い逃げのようだ。彼女は捕まえお代を貰うと手を話した。

「もうするんじゃないよ!」

男はどうしようかなーと笑いながら歩いて行った。

「どうしようかなーじゃないわよ!ふん」

と彼女は飯屋の中に戻ろうとすると中から母親が出てきた。

「ふんじゃない!!まったくもう、女の子でしょ!」

バシッと頭を叩く。

「母ちゃん!仕方ないでしょ!食い逃げよ!」

「だからってそんなはたしない格好で走るな!まったく、そんなんだから嫁の貰い手がみつからないのよ」

「うるさい!!嫁になんかっ!」

とか言いながら娘は母親に連れられ店に入って行った。

「・・・佑之進」

「・・・ん・・?あ、何?」

「お前・・あんなのがタイプなのか?」

「たいぷ・・?」

「あー・・あーいう女の子が好きなのか?」

「!!ちがうぞ」

「ふーん」

「なんだよ」

「それにしてもじーっとみてたよな」

つい、釘づけになってしまっていた。

「それは・・」

あんな女・・。しかし、そこで言葉を飲み込んだ。

「それより、蓮夜はあんな子のことどう思う?」

「ん?俺?俺はー、もうちっとおとなしい方がいいなー」

いひひと笑う。

「おしとやかで、優しい子」

「そうか」

「佑之進は?」

「・・・興味はない」

「そうか」

どこか意味ありげに彼は笑った。

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