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天敵だらけの友達

作者: 鈴木柊真
掲載日:2026/03/16

おたまじゃくしのモークは、池で天敵のヤゴから逃げながら生きている。ある日、捕食者のヤゴ・タックと出会い、驚くことにタックはモークを食べず、二人は友達になる。池ではブルーギルのラドや鯉など強力な捕食者が現れるが、モークとタックは互いに助け合いながら危険なスポットを乗り越えていく。友情と生存の試練を通して、モークは生きる意味を少しずつ学んでいく。



ヤゴ タック

おたまじゃくし モーク

トンボ ヘイブ

カエル ダグ

ブルーギル ラド



プカプカ・・・・・・


僕はおたまじゃくしのモーク

今はみんなで生存する為に頑張っていきているんだ


「僕はみんなに嫌われてる」

「間抜けでドジで方向音痴だから」


「お母さんはカエルになって僕の側にいないし・・・」

「僕と仲良くなったおたまじゃくしはヤゴに捕食されるんだ」



モークはおたまじゃくしです。

捕食者に食べられないように常に逃げ回っています。


「ヤゴが来たぞ!逃げろっ!」


別のおたまじゃくしが慌てて避難命令が出た。


「もう逃げたって遅いよ」


目の前にはヤゴがいた


「僕の運命はここで尽きるのか」


「何故 逃げない?」


「僕は昔からドジだからどうせカエルになれないからね」


「ヤゴ君 さぁ食べてよ お腹空いてるんでしょ?」



天敵のヤゴはおたまじゃくしの天敵だ。


「死ぬのが怖くないのか?」


「ねえ どうせ食べるのになんで話したがるの?」

「さっさとトドメを刺してさ、僕を自由にしてくれよ」


「ふっ 食べたりしねーよ」


ヤゴは目の前で何も反応がない。



「俺の名前はタック お前の名前は?」


「タックって言うんだ 僕の名前はモークだよ」


「お前このままじゃ死ぬぞ」


「え?」


水中からトンボが空を舞う


「おいっ・・・タック こいつ食わねえなら俺に食わせろ」


「オニヤンマの兄貴、勘弁してくださいよ」


「なんだおたまじゃくしを庇うのか?美味そうだろ」


「俺のダチなんでね。見逃してやってください」


「ふんっ 好きにしろ 命拾いしてよかったな」


オニヤンマ大きくかったな・・・


怖くてタックがしょぼく見えたよ


「あの人とは知り合いなの?」


「あぁ、昔世話になった。」


「とにかく命拾いしたよ タックありがとう」


「いいってことよ。俺は友達がいないから友達になってくれねーか?」


「僕と友達に?僕はドジで間抜けで出世は望めないタイプだよ」


「俺だってそうさ トンボになる前にくたばりそうだもん」


「じゃあ僕らは似た者同士なんだね」


「そいうことだ。おたまじゃくしなら危険スポットに行ったことがないだろ?来るか?」


「僕食べられちゃうよ」


「俺はヤゴの中でも強いんだ 守ってやる」



こうしておたまじゃくしのモークとヤゴのタックは友達となりました。



「おい?タック 餌を分けにくれてきたのか?」


「ちげーよ こいつの名前はモークだ。俺の親友だ」


別のヤゴが僕の事を凝視している。


「こいつに手を出した奴は俺が許さねえからな わかったか?」


「ッチ わかったよ」


「モーク。俺らはお前らを食ってるから悪かったな」


「いえいえ 当たり前の事ですよ 食物連鎖ですからね」


「別のおたまじゃくしは食っても問題ないが、モークだけは食うなよ わかったな?」


「わかった その代わりといってはなんだがモークよ」


「はい?」


「ここの池出身のアマガエルのダグがいるだろ」


「ダグさんいますね 僕らを天敵から守ってくれます」


「そいつは俺らヤゴを食いまくってるんだ なんとかしてくれねえかな」


「ダグさんは優しいカエルなので伝えときます」


「モーク 別のスポットも行こうぜ」


僕はいつの間にか群れから離れて親友のタックとずっと遊ぶようになった


「池のこの辺のスポットはヤゴでも危険なスポットだ」


「気配が感じたらすぐ逃げるぞ いいな!?」


「う、うん」


タックのおかげで普段は絶対に行けない危険なスポットを見れた


「おいおいおい(笑)強敵が来たぞ」


「やばいわ モークすまん 俺もお前も食われる」


「え?」


目の前にはブルーギルがいた


「おたまじゃくしとヤゴが一緒にいるなんて珍しいな」


目の前には15cmほどの大きなブルーギルが話しかけてきている


「外来種さんよ 俺は食ってもいいけどおたまじゃくし見逃してやってくれないですかね」


「お前はなんでおたまじゃくしを守ってるんだ ヤゴよ」


「こいつといると面白いんですよ」


「わかったよ どっちも食わんよ」


「ありがとうございます。ブルーギルといえば池で強いとよく聞くので・・・」


「おたまじゃくしよ 俺は確かに強い方だけど鯉やウシガエルには勝てないかもな」


「俺の名前はラドだ この池では結構強いぜ」


「僕の名前はモークでヤゴの名前はタックって言うんです」


「そうか 同じ池同士仲良くしようぜ」


「じゃあラドも俺達と友達になるか?」


「はっはっは 面白い事を言うな」


「僕とタックは友達が少ないからラドさんもなってくださいよ」


「外来種のブルーギルの俺を友達として認めてくれるのか?」


「関係ないじゃないですか こうして僕らを見逃してくれた優しいブルーギルですから」


「お前らと絡んでいると他のブルーギルの仲間に笑われちまうがまぁいいか」


「おい モーク 良かったな 友達が増えてよ」


「う、うんっ!まさかブルーギルも友達になってくれるとは思わなかったよ」



せっかく友達になったのにラドは僕たちを守る為に隊長50cmのコイに食べられてしまった


「タック 僕は今悲しいよ」


「ラドさんは俺らを守るために15cmで50cmのデカイ鯉に立ち向かってたもんな」


「タックさ....僕らはもう危険スポットに行かないほうがいいよ」


「そ、そうだな 俺らに会わなきゃラドさんは食われなかったわけだからな」


「ねぇ タック 生きるってなんだろう?」


「わからない 深く考えずに生きて楽しむ事が生きる事なんじゃないか?」


「僕はわからなくなるんだ カエルになって陸まで上がれてもさ・・・陸には鳥という天敵がいるじゃん」


「深く考えるなよ」


僕はタックに他のおたまじゃくしに紹介した


「俺らを食わないヤゴなんて珍しいな 関係するよタック」


「ふんっ おたまじゃくしは食うさ 食わなきゃ生きていけないからな」


「俺はモークの親友だからお前らを食わない。別のおたまじゃくは食う」


「それでいいんだよ タック 僕たちは捕食される側だから...」


「お前もカエルになれば今より強くなれるさ」


ブルーギルのラゴの友達はその後、鯉が強襲してくると僕とタックを庇って逃げる方法を教えてくれた


「この世界は物理的に大きい鯉がいたら戦う事はまずない」


「ラゴの奴はお前らにカッコつけようとして戦ったんだろうな 俺らはラゴが好きだ」


「僕もラゴさんが好きでしたよ」


「俺もさ」


「ラゴの遺志を受け継いでお前らが食われそうになったら庇ってやる」


「ありがとうございます」


「外来種なんか言って悪かったよ お前らいい奴なんだな」


「ただ勘違いでしないでほしい。俺達はお前らを食わないが別の奴は食うぞ」


「こればかりは仕方がない。生きる為には食べるしかないからな」


「池の生き物は死を避ける為に食うんだ 悪意などはない」


「はい わかってます」


「べ、別に俺らは守ってくれなんて一言も言ってねーだろ モークもう行こうぜ」



「今日は苛ついてるけどどうしたの?」


「俺らグループのヤゴがさ またアマガエルのラグに食われちまってな」


「ラグさんに言っといたのにな・・・」


「俺はオニヤンマのヤゴじゃなくシオカラトンボのヤゴなんだ」


「お前は普通のおたまじゃくしと違う。ラグのような小さいなカエルではない」


「僕は君を食べる事はないよ」


「生きるのって難しいな」


「今こうしてモークと遊んでいるのが生涯で一番面白いんだろうな」


「僕もタックと遊んでるときが一番面白いよ」



時間が過ぎていく



僕はカエルとして陸にも上がれるし水中でも泳げるようになった

ラゴはトンボとして池にたまに近寄ってくる感じで世間話をしている



「あの頃が懐かしいなモーク」


「僕はてっきりカエルになるまでに生きていないと思ってたよ あっはっは」


その翌日、タックはトノサマガエルに食われた事をタックの仲間のトンボに聞いた


「お前はずっと親友だったから悲しいだろう」


「悲しいよ。僕みたいな間抜けな奴と友達になってくれたのに」


「ところでタックを食べたトノサマガエルはどこにいるの?」


「田んぼにいるぞ」


僕はすぐに親友のタックを食べたトノサマカエルに会いに向かった


「僕の親友のトンボを良く食べてくれたね」


「お前も同じカエルだろう?食べるに決まってるだろ ゲコッ」


僕はカエルに向かって体当たりをした


「仲間同士で戦うなんて馬鹿げてる」


ゲコゲコうるさい


何度も体当たりを繰り返した

執拗以上に体当たりをしたから相手は瀕死状態に陥った



「お前は親友の仇をとったんだ。タックはいい奴だったから俺はお前に感謝するよ」



正直僕も死闘で体がボロボロだった


池に戻る時に交差点に出た瞬間に意識が飛んだ



目の前にはヤゴだった時のタックがいた


「お前・・・俺の為に戦ってくれたんだな」


「うん 僕たちは親友じゃないか」


「ありがとな お前は池に戻る途中に車に轢かれたんだ」


「そっか ここはあの世なんだ」


「おーおー モーク来たかっ!」


「ラゴさん・・・お久しぶりです」


「ここの泉は食べなくても満腹になれる泉だぞ」


「あの時は鯉から守ってくれてありがとうございます」


「いいってことよ 俺は外来種として池でも嫌われていたんだ」


「お前らは俺と仲良くしてくれた・・・それだけで十分さ・・・」


「なぁ モーク これからはここでずっと楽しく暮らそうぜ」


「うん、僕はやっぱり親友の君がいなきゃ生きてて面白くないからね」



END



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