傘と聖剣
最新エピソード掲載日:2026/03/05
雨の洗礼を受ける星。それは水を巡る戦争の代償。順応が問われる生存者たち。傘は政治思想を示す象徴である。聖剣とは奇跡である。ただ、彼らの一致する点は携帯するものという時間軸を超えたカジュアルさである。雨が止まないことはない。しかし、そのころには星の容態は変わり果てている。絶望の連続を超えるころに聖剣は現れるだろう。しかし、傘が現実を遮る限りは夢幻のなかで溺れるのみである。生命の揺り籠たる水の奔流が文明を解きほぐすころ、世界は新時代への大いなる鞘になるだろう。日常というやつは不思議なことに傘に溢れている。普遍性に溢れたアイテムは特異な状況下にて救いにも転ずる。このように環境に左右されて役割を発揮する、しないが分かれるとは実にロマネスクで素晴らしい。あらすじから脱線しているものの、この話は放浪という名の脱線がテーマである。もとより小説というやつは人生における脱線ではないか。