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階段の踊り場にある大鏡

 事前にリサーチしていた順路で校内を歩いて行くと、次の7不思議が起こると噂される階段に辿り着く。


 「2つ目の7不思議のおさらいだけど、この階段を上った踊り場には、廃校になった今でも残っている大鏡があるんだ。 この鏡を午前0時に覗き込むと、知らない人が鏡に映り、そのまま鏡の中に引き込まれてしまうらしい…」


 シロが自分のキッズ携帯で時刻を確認する。


 「みんな、現在(いまの時刻は夜の11時55分だよ。」


 「噂が正しければ、怪奇現象が起こるとされる時刻までは、あと5分か。 ところで、キョウジ。 さっきから背負っていたリュックをガサゴソしているけど、何を出そうとしているんだ?」


 「自分は先程の二宮金三郎と同様に、怪奇現象など起きないと思っています。 しかし、万が一の状況が起きた場合を想定し、自分なりに7不思議一つ一つの危険予防の対策を考えておりました。」


 そう言うと、キョウジはリュックから丈夫そうなロープを用意する。


 「タカシ君、このロープを君の腰にしっかりと結んだら鏡の中に引き込まれても大丈夫なように階段横に設置してある手すりに頑丈に縛り付けておきましょう!」


 「なるほど…っておい! 何で俺が鏡を覗き込む役という前提で話を進めているんだよ!!」


 「自分はビデオカメラで様子を撮影する大事な役がありますし、機械音痴の君には務まらないですよね? それにまさかとは思いますが、危険な役を女の子達にやらせるような真似はしないですよね?」


 眼鏡のふちに手をかけながら、勝ち誇った表情を浮かべてキョウジが俺に言う。


 「ううっ、この眼鏡め…痛いところをついてきやがる。 そんな風に言われたら反論できないじゃないか!」


 「あら、タカシ君。 もしかして不安なの? だったら私が変わってあげようかしら?」


 自ら検証役を立候補するレイカの横で、シロが突然、恐怖の表情を浮かべて、俺の後ろを指差し口をパクパクしている。


 「どうしたんだよ、シロ?」


 「!!!」


 シロが指差す方向に振り向くと先程まで暗闇だった廊下に青白い炎が、いくつも宙に浮かびながら俺達のほうに近づいてくる。


 「凄い!! 本物の人魂に遭遇出来るなんて、何てついてるのかしら! キョウジ君、きちんと撮影出来てるでしょうね?」


 「おいっ、レイカ! この状況で何喜んでいるんだよ! 皆んな、早く逃げるぞ!!」


 もと来た道は、人魂が追ってきている為、興奮しているレイカを3人がかりで引っ張りながら、急いで階段を駆け上る。 階段の踊り場の横を通りかかる際に、大鏡のほうから少女と思われる声が話しかけてくる。


 「あなた達、このままじゃ危険よ! 早くこっちへ!」


 鏡のほうを振り向くと、鏡の中には見知らぬ少女が映っている。 驚いて立ち止まった瞬間、少女の両手が鏡の中から大きなサイズで伸びてくると、俺達4人は全員捕まり、鏡の中に引き込まれてしまう。

 

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