深夜の集合
新作始めました。 短い内容で終わらせる予定です。
「よし、全員揃ったようだな!」
時計の時間は夜の11時。 古びた学校の旧校舎の前に俺を含めた4人が集まる。 俺の名前は宜保タカシ。 この旧校舎の隣りに建つ妖小学校に通う五年生だ。 周りにいるのは、同じクラスの大槻キョウジと神谷白、そして外除霊花の4人だ。 何故、こんな遅い時間に小学五年生である俺達がいるのかというと、よくある話ではあるが、クラス全員がくじ引きを行い赤い棒を引いた4人が罰ゲームとして、来月取り壊される予定の旧校舎で噂される7不思議を順番に回り、その様子を動画で撮影してくるというものだ。
「ねぇ、本当に行かなきゃ駄目? 私、怖いよ…」
先程から泣き出しそうな表情を浮かべて、シロが言う。
「ふっ、大丈夫だよ、シロさん。 学校で噂される超常現象が起きるといった科学的根拠は無い…はずです。」
本当は明らかにびびっているのが丸わかりだが、怖がるシロを励ますように眼鏡の位置を直しながらキョウジが声をかける。
「うふふっ、動画に何か不思議な現象を撮影出来ればヨウツーブで稼げるかも知れないわよ。 皆んな、頑張りましょうね!』
目が悪い訳でも無いのに、いつも右目に眼帯をつけ、ツインテールヘアでゴスロリファッションのレイカがテンション高めに言う。
「それじゃあ、7不思議を回る順番だけど、旧校舎の前に設置してある二宮金三郎の像が、真夜中になると新校舎と旧校舎の間にある学校のグラウンドを走るという噂から確認して行こうか。」
俺は右手に護身用の金属バットを持ち、左手には懐中電灯で周りを照らす。 横にはキョウジが頭に照明つきのヘルメットを被り両手にはビデオカメラを持ち、動画の撮影を担当する。
「タカシ君、待って! 出発する前に皆んなにこれを渡して置こうと思って…うちの神社のお守りなの。」
シロは神社の神主さんの娘で、魔除けのつもりで用意してくれたらしい。
「ありがとう、シロ。 大事に持っておくぜ!」
「それなら私も皆んなにこれを渡してあげようかしら。」
レイカが配ってくれたのは一見すると数珠のように見えるが、よくよく確認すると普通の珠ではなく骸骨がいっぱい数珠繋ぎになっている。
「なぁ、レイカ。 これって身につけたら逆に呪われたりしないよな…」
「あらっ、私が集めている魔除けの中でも、ご利益のあるものをせっかく用意したのに…侵害だわ。」
「タカシ君、レイカさんに失礼ですぞ! そもそも、呪いなどという…
「科学的根拠は無いだろ。 キョウジ、お前の口癖は聞き飽きたぜ! でも、確かに皆んなの為に用意してくれたのに失礼な事を言ってしまい悪かったよ…ごめんな、レイカ。」
「うふふっ、気にしてないから大丈夫よ。 きっと皆んなを危険から守ってくれる筈だわ。」
シロとレイカからお守りと骸骨の数珠を受け取ると全員、早速身につけてみる。
「それじゃあ、準備も整った事だし、さっさとこんな罰ゲームを終わらせて帰るろうぜ! 皆んな、行くぞ!!」
「おーっ。」
レイカ以外は聞き取るのが大変になる小さな声量で返事を返してくる…こっちまで不安にさせるなよ。
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