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「リー……いや、リアンナ。君と結婚する気はない。……婚約を解消しようと思う」



2年間の隣国への留学が終わり久しぶりに婚約をしているリアンナに別れを告げた。

リアンナは女の子。留学先で出会った彼女は女性。

リアンナと比べると大人っぽい彼女に惹かれていき、恋人関係になった。

しかし、彼女に留学が終え国へ帰ったら婚約者と婚約を解消して君と正式に婚約をしたいと告げると、



「学生のときだけの恋人ごっこのお遊びだっただけよ、楽しかったわ」



とあっさり振られてしまった。

同じく留学していた友人には、彼女も遊びだったんだし婚約者に黙っておけば良いと言われたが、

ただでさえ不誠実で格好が悪いのにこのままでいいのかと悩み、婚約解消することは彼女ができてから考えていたのだからやはり婚約を解消しようという結論に至った。


しかしリアンナを目の前にして躊躇ってしまう。

目の前に座り、優雅に茶を飲んでいるリアンナはカップを置いて、俺を見た。



「……わかりました。今までありがとうございました」



リアンナは立ち上がり綺麗にお辞儀をした。



「では、さようなら」



と美しい笑顔を俺に向けた。俺は罪悪感もあり足早にこの部屋から出て行った。



こんなにあっけなく終わるもんなんだな。

リアンナならもっと泣き喚いたりしつこくゴネたりすると、その対応をしなければいけないと覚悟していたのに。

彼女とは楽しい時間も辛い時間も一緒に過ごしたというのに、自分が終わりを告げたのに、あんなに好きだと言ってくれていたのに……。



数日後、俺とリアンナの婚約は解消された。

気まずくなると思っていた、学園ではリアンナに会うことはなかった。

周りの友人たちは、俺のことを気遣っているのか彼女の話をしてこない。

婚約者の席が空いた俺のところには未だ婚約者がいない令嬢達が群がる。



その群れから離れた先に、あれは…



リアンナとよく対立していたミレーネ嬢。

ミレーネ嬢だけは、俺の事を今にも殺しそうな目で見てくる。


ミレーネ嬢から向けられる視線を意識すると浮気をし一方的に別れを告げた俺が悪いと咎められているようでとても居心地が悪い。



そして、リアンナの訃報を聞いたのはリアンナと婚約解消をした3か月後。彼女が亡くなったとミレーネ嬢から告げられた。

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