頭の良いキャラの描き方
頭の良いキャラを超能力持ちにしてしまいがちな作者様へ
結構時間が空きましたが、
小説を読んでいて、頭の良いキャラの描かれ方があんまりだなあと思ったので、
ここで描き方を書きたいと思います。
いつも通り、これが正解!とか、こう決まっていると言い切るつもりはありませんが、
私は、頭の良い人と接してきた機会が人より多いと思いますので、
ここで頭の良いキャラの描き方を提案させていただきたいと思います。
まず、声を大にして言いたいのは、頭の良いキャラを超能力者にするのは止めましょう。
設定として超能力を持っているのならOKですが、頭が良いだけでは超能力は発生しません。
未来予知や過去視もできません。
所詮、彼らも人間です。インプットが無いのにアウトプットは出せません。
まずこれを意識してください。
となると次にやりがちなのが、過去を実は知っていたという設定です。
これも頭の良さとは無関係ですからね。頭が良いから前もって調べていたという設定なら
かろうじて合格ラインではありますが、なぜそこを調べなければならないと思い至ったのかを
突き詰めると、結局、未来予知能力が発生してしまうので、
あまり良い設定とは言えません。
はい。この2つのNGを回避して、どうやって頭の良い人を描くかですが、
まず頭の良さには複数要素があります。
状況把握
状況整理(得られた情報の整理)
状況整理(欠けている情報の整理)
仮説検証
他にもあるかもしれませんが、今回提案するのは以上4つです。
まず状況把握の能力ですが、これはホームズなどでお馴染みですね。
コールドリーディングとも言われますが、相手の態度や服装などから情報を
引き出してしまう能力です。
これは小説家にとっては便利な能力で、なんでそんな知っているんだよ!
という突っ込みに対して、いやいや観察能力が優れているから気づいていたのです!
と言えるので、この能力は基本的に高いという設定にしておきましょう。
次に意外と忘れがちなのが、状況整理(得られた情報の整理)です。
作者の方は時系列順に物事が起きているのだから、
整理の必要は無いと思いがちですが、
頭の良いキャラの思考として、それらをパッと整理して読者に分かりやすく提示すると
読者には分かりやすく、またそのキャラの思考の正確さが伝わるので、
これもバンバンやりましょう。
これとセットとなるのが、状況整理(欠けている情報の整理)です。
ここまでできている人はなかなかいません。
まあ、なぜ欠けていると分かるのかをちゃんと説明しないといけませんが、
そこを理論立てて説明できれば、かなりの頭の良さがアピールできますし、
その後のそのキャラの行動の理由付けにもなるので、
最低限、ここまでは頑張りましょう。
さらに次のステップでは、状況整理(欠けている情報の整理)に対して、
仮説を立てて、検証をしていくフェーズになります。
頭の良い人は、ここがかなりスムーズだなあという印象を私は持っています。
なので、頭の良さを本当にアピールするなら、ここを次から次へと繰り返せば良い訳ですが、
どうでしょう?
私の話で既に飽き始めていませんか?
ここが多分難しいところで、頭の良い人はここを説明しても詰まらないだろうなあ、と
説明を諦めてしまうし、読者も付いてこれないし、ここまでやるメリットは無いかなあと思います。
ただ、設定としてはここを裏でやっていて気付きを得ていたという後出し設定にするとか、
工夫の仕方は無くは無いかなとは思います。
この後、さらに関係者各位を説得して回ったり、
計画を現実に微調整したり、有力者の意見を反映したりしなかったりと、
難所は続くわけですが、頭の良さをアピールするだけでしたら、
上記の4ステップをしっかりして見せれば良いかなと思います。
参考になりましたでしょうか。もし他のご意見がございましたら、
是非コメントで教えてください。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。