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ゲノム少年は世界を知る  作者: 七刀シロ
12/12

姫様方のお帰り

「おい!モニカ姫様達はまだ見つからんのか!」

「はい、どうやら誘拐した犯人は魔物に襲われて全滅したと先ほど捜索隊より連絡がありましたので姫様達は」


アクァッポ王国の一室にて中年貴族が年若い騎士を怒鳴っている。


「遺体は?」

「え?はい、鉄の獣の森の近くに誘拐犯と思わしき遺体はありましたが?それがなにか?」

「姫様達の遺体は発見したかと聞いているんだ!もういい!」


中年貴族は怒り果てて一室から退室した。

モニカ姫とトリス公爵令嬢が誘拐されてから一週間ほど経過して王宮は姫達の操作に躍起となっていた。

ちなみに鉄の獣の森というのはゲノムが住んでいる施設の回りに広がる森の名称である。鉄の獣というのはゲノムや先代が操作するロボットだったりして森の動物を狩るから鉄の獣と呼ばれている。


一方そのころ姫達は。


「ウエー、揺れがひどくて気持ち悪いよー」

「揺れは大きいけどトリス見てよ。もう森を抜けたわ」


姫様達は空を飛ぶ車に乗り、街まで送ってもらているところだった。

空を飛ぶ車は周囲から取り込んだ空気を下方向に噴射した空気圧で浮遊している。そして全方向に好感度センサーを取り付けられており、周囲の生物の温度から二酸化炭素を排出する物体を認識する機能を有している。そのセンサーは半径2キロの周囲と20センチの壁の向こうの状況を知ることができる優れものだ。

知恵と心の戦争時代は無人の偵察機に搭載されていた機能で数多くの心の文明の情報を得たとか得られなかったとか。


三時間後、センサーが複数の建物が建て並ぶ人口5000万ほどの街を感知してそこへ向かう。

姫を乗せた車が向かう中で馬車ほどの大きさの飛行物体が街に接近してくるから車を目にした人達が腰を抜かしていた。それに気づくことなく搭乗者であるモニカは窓越しにみる風景を楽しみ、トリスは車酔いに耐えていた。


「トリス聞いて私達はあの街に向かっているわ」

「それよりモニカ水を頂戴。もうだめー」


モニカは気持ち悪そうにしている親友の為にゲノム君が持たせてくれた大きな鞄を漁る。透明な入れ物中に透明な液体が入っている固い物体を発見した。

中に入っているのは飲み水なのだろうか?中の液体を出すにはどうすればいいのだろうかと思案する。

中の液体を出す穴が無いから飲めない状況であった。


そういえば昨晩ゲノム君と遊んだゲームの世界(?)でゲノム君にえぬぴーしーと呼ばれている人達が似た形状の物を開けて口にしてましたわ。

確か細い部分が上で色が付いているを蓋を回していましたわね。


でも形が似ていても蓋のような部分が見られない。

思い切って色が付いた部分を蓋を開けるように回してみたら色が付いた部分が消えて飲み口がでてきた。

中の液体が水であることを確認するために一口飲んで親友に渡す。


「トリス水だよ。飲んで」

「モニカありがとう」


トリスはゆっくりと口をつけてちびちび飲む。

トリスが飲み終えて、返された。だが、中にはまだ水が残っている。これをこのままにしてこぼしたら中の水がもったいないと思い開けた時とは反対方向に飲み口を回したら、消えたはずの色のついた部分が元通りになっていた。それどころか飲んだはずの中の水の量が戻っていた。


アクァッポ王国ではその物体を魔法の水差しと呼び王城の宝物庫で大切に保管されるのであった。

モニカとトリスは魔法の水差しとなる物はゲノムのママの手によって10分に一個で製造できる事実を知ることは無かった。


街の門に到着すると重力に逆らい続けた車はゆっくりと地面についた。


金属の箱が街に近づいていると連絡を受けて門には街の衛兵100名ほど臨戦態勢で待ち構えていた。

衛兵達は金属の箱が開かれると自身の武器を握り直し死ぬ思いで上官の指示を待った。

金属の箱から出てきたのは行方不明とされていたモニカ姫とトリス公爵令嬢だった。門に集まった衛兵達は困惑し、モニカとトリスも車から降りて思っていた歓待と違っていたため困惑した表情を見せる。


モニカとトリスは到着した街に一泊して王都に帰った。

モニカとトリスの両親はモニカとトリスが無事に帰ってきたことに安心して、両親達は娘達の話を聞いた。

両親達は娘達の口から語る話は耳を疑う物ばかりで信じがたい内容だったようで鉄の獣の森に調査団を送る話しをしていた。


「モニカ、またゲノム君に会えるかな?」

「あの森に行けばきっとまた会えるよ。だってまた会う約束をしたもん。でも来年になるかもね」

「そうだよね。モニカ達は誘拐されたからねお父様達は王都から出ることをお許しにならないわね」


モニカ達がゲノムと会うのは数日後だったりする。


モニカ達が乗っていた無人の車は役目を終えて到着した街の門に力なく置かれている。

住民達や衛兵達は姫達が乗っていた物だから乗り物と思っているが中への乗り方や動かし方が分からない。そして車を王都へ運ぶ計画が発案されたが、車が重すぎて運べないからと門のオブジェと化した。

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