表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

74/87

とある夜

イ ベ ン ト に よ り 崩 れ る

時 系 列

 本来は教祖を崇める日の前夜祭なのだが、日本にとってはイベントとして、前夜祭で終わる。


 聖なる夜であり、いくつものカップルが何かしているのだろう。何人もの子供がプレゼントを待っているのだろう。


「さぁ、私は待っている子が多いんだ」

[絶対に多くない。8割が父親知らずだぞ]


 ゼノ・クラックの時に大盤振る舞いした〈魔王〉の因子、例外なく咲いた子供達へ、サンタ作戦をするのだ。


「いっくよー!」

「ゼノム、其方は余の着替えを見たかっただけであろう?」

「これで集客。完璧…!」

「……ねぇ、何で私だけソリなの?」

「では我は行くぞ。〈色欲〉共が確実にしでかすからな」


 妻達のサンタコスである。一般市民へは彼女らがプレゼントを配り、更に依存して貰う算段だ。


 ナノマシンにより、個人用アンケートの解答と、心理的な本音は聞き終えている。配達のスタートだ。




「力が……力が欲しい……!」

「今すぐに不相応な力を授かり暴走するか、将来的な最強の道筋というが長すぎると考えて死ぬか。どっちだ?」

「……どちらでもない! 何せ竜の一族なのだ! 不相応など存在せず、将来など気にも止めぬ!!」

「そう、その通りだ。自分で……考えの及ばぬ愚かな自分で見つけた選択だから、何も恥じる部分はない。よって〈保身〉〈新択〉〈封殺〉とそれに連なる能力を授けよう」


 俺やオークゥにより〈竜〉ないし〈龍〉の存在は、自然と大きくなった。だからこそ、格差が厚い。


 この少年は〈火竜〉が一門。次期当主なのだが、別の家の同年の存在の方が火力が高い。彼が白い炎を二時間吐き続けられるなら、別家は水色の炎を三時間くらいといった具合だ。


「違う! 俺が欲しいのはより大いな…」

「いいや。お前はそいつより上になれば良いんだ。そいつより熱量も継戦力も高い存在なんて〈竜〉以外でも居るんだから」

「…違う…………ちがうんだ………」


 実態をプレゼントするのもサンタである。


 なお〈保身〉により自身の保護、〈新択〉により通常では不可能な魔力供給、〈封殺〉により必要以上の霧散がなくなるので、火力を上げる事は可能なのだが。


 まぁ、気付けるまでの課題だ。




「なぜですか? 貴方ならば」

「俺の権限などたかが知れる。【外】の都合……場合によっては、俺の軌跡と連なる世界そのもの、全て消去される。無論、消去だけじゃない自由な編集をやってくる。そんな世界で恒久の世界平和とはな」

「【外】の頂点は」

「限りなく俺だが【俺】ではない。完全に世界を止めたとて、【外】からすれば【内側がイキってやんの】という軽口で解決する。【有】がどれほどイタズラを受け入れたか……」


 本当に不可能な願い(プレゼント)の要求もある。その場合は、諦めるまでやるしかない。


「俺だって不可能だったんだ。あの世界で魔法に魅せられ、一息ついた瞬間に、発想のみが進んでいる現実を知る」

「分かりましたお帰り下さい。また来年もいらっしゃるのでしょう?」

「察しがよくて助かる。ではまた」


 相手に合わせる余裕がある。なお聖夜イベントとしての余裕は。




 巡る巡る。単純に物品の者はかわいいものだ。概念や【外】抜きでも変動するものを求められると困る。


「これで全員だな」

[残りは自宅]

「待ちわびた解放」


 説得と供給を終えた俺は帰路につく。


「うぉぉん! 爆死だぁ!!」

「ケーキ! ケーエーキーイー!!」

「私と結婚して下さい!」


 〈転移〉で帰るのも良いが、街中を飛びイベントを共有するのも良い。


 この日はこういうものなのだと実感する楽しみ。転生前は、愚痴を聞き続けたものだ。


 玄関の扉から香りが漏れる。自宅で待機するのは無論、性夜の準備を万全にした妻達なのだから。


 扉を開ける。明かりがついてないを通り越して、漆黒世界を形成していた。


 中に入り、扉を閉めれば明転。目の前にはプレゼントが並んでいる。


 リボンで身体を良い感じに巻いて、目がねっとり……。


 こうして意識は、寝室へ飛んだ。

追記:


間 に 合 わ せ な い

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ