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予備  9

やっぱ二次創作って原作濃密だと半端ねぇわ

考察だとか、解釈だとか

何処かで『削るしかなかった』と明言された

部分を入れる事が出来るんだから


俺のは…そうは行きそうにない………


 遥かに生存圏から離れた土地に〈人間〉の村人が居る。〈亜人〉に混ざって〈人間〉が暮らしている。


 理解が及ばない。〈魔王〉により強い種族が、ゼノにより〈亜人〉が統率され、〈人間〉絶滅の波の準備が進む中。何故だ? どうやって?


「レラース……気持ちは分かるが落ち着け。もしかしたら『皮だけ』かも知れない」

「そう…か…。いや、よくよく考えればゼノも外装は〈人間〉か」

「まぁ、にしても〈人間〉過ぎるな。〈亜人〉の村だろうここ。なんだって初めての奴が、誤解するような事をしてんだ?」

「誤解ではなく、本当に〈人間〉だ」

「「!?」」


 顔に出ていたであろう疑問と焦り。それについて話をしていたら『気配無く』人が入ってきた。


「緋の鱗、熱と光を抑える多重封印……貴公が〈聖緋龍〉バルザか」

「ようこそ〈大共栄(グランドクロス)〉が中央へ。盟主をしております〈魔王〉がただ一子、〈聖緋龍〉のバルト・クザニン=アウゴが案内します」


 先の〈人間〉と肩書きを合わせ、複雑な状況に置かれている事を察する。


 目的の人物のペースに合わせ、案内を受ける。


「こちらが酪農地、あちらの奥に生簀、もう少し進めば養蜂も……」

「あ! バルザ様~~。今日の鱗はどちら?」

「んー? 虎だったかな~?」

「分かった! いってきまーす!!」


 〈人間〉の幼子が何もなさげに、陽気にバルザと会話した。


 それだけで、拳が固く握られる。これが理想なのだとの、心の極まりを鎮める為に。


 直線的なルートを終え、大きな出入口がある以外は豪華の欠片もない、彼の自宅に着いた。


「ふっ……やはり、似るものか」

「そう言わないで下さい。機能を求めた結果、同じ商品になっただけなんですから」

「その『求めた』という部分が似ているのだよ」


 通された間は……ゼノの部屋から、研究や工房スペースを取り除いたかのような部屋だ。ソファなんて色違いなだけ。


「ところで、皆様は何をされに、このような僻地へ?」


 〈人間〉の目から〈龍〉の眼へと切り替わり、値踏みの始まりを感じる。


「貴公の力添えを願いに来た」

「断る」

「貴方は〈聖緋龍〉であり〈闇〉を払うのが本分でしょう。〈人間〉に限らずとも、現状の〈魔王〉というのは」

「母上……いいや、私と各種族の長の間は広い。出たところで」

「なれば後方でも構いません。撤退の補助や素材の提供を、して頂ければ我々は」

「それでもだ。そちらに味方したとなれば、即座に両親は反応する。説得をしに数日に一度は会う。故に、私の変化にも敏感だ」


 別種の長。これまで倒してきた者達の、種族の極み。それらと両親をバルザは恐れているようだ。


「母上は父上の妻達の中で、戦闘能力の最強の座に居る。君達は〈エルル〉でルシュフェルを見たのだろう? その彼女が強さの次席になるしかないのは、母上の威だ。そして父上……ゼノム・ルマ=アウゴは、そんな彼女達をして戦闘での勝ち目はない。幾多の物語のように、アロクルや【外】が、現地人でも奇跡さえあれば撃破可能にしてくれていたら……」

「成る程、臆病なのだな。我らより、深く長く知れたがために」

「あぁ。それに今はもう、一人ではないのでな」


 扉が開かれ、素朴な女性が茶をテーブルに置く。


「私が見初めた婚約者だ」

「ど、どどうも……!」

「……そうか、非戦闘員でただの〈人間〉を守るには、確かに両親相手では無茶なもの」


 ザツカは納得しており、俺もするしかない。


 〈人間〉という種族は、魔力量や身体機能は大体、低め。技術という形で、どうにか他種族に追い付いているのだから、一般人の自衛などたかが知れる。


「それじゃ、訓練すれば良いんじゃないか?」


 ラウルの意見は微妙だ。バルザと婚約者の目を見れば分かる。


「……父上の正妻のシュアだが、彼女は様々な地位にいた。始まりには〈癒天使〉として産まれ、神の為に戦い、転生を繰り返し現地情報を集め、その最中、獣人の姫君の時に父上と逢った」


 我々の前に見せなかった何かがあるのだろうか?


「父上は異界に転生し、世界の血泥を知った。故に彼女を訓練したのだが………その結果『これ以上は弱い兵器しかない』と言った者に対して『体当たりやれば?』などと提案するようになったのだ」

「そりゃ、姫君の言葉にしちゃあな」

「そこまで追い詰める訓練だったのだろう。して、父上に母上、他の奥方、各種族の長と精鋭。これらにある程度の自衛を可能とするには、どこまでやる必要がある?」

「……〈エルル大海溝〉を一人である程度は進められるくらい」


 戦闘や戦法を理解しなければ、これまでに出た対象に自衛は不能。しかし、理解し実行出来る者は、村人ではなく戦士だ。


「父上は姫君を強者の一角にまで押し上げた。私は父上とそこで対抗してしまい、庇護を一応は抜けて此処に居る」


 内面はそう変わらない気もするが、俺も民や無害な動物に対して『間合い』を判断した時がある。ゲーム馬鹿と同じく、傾倒している証明。


「……自力でここまで逃れた者達へは」

「不和が無ければ問題ない。あれば即座に焼却だがな」

「いや、一旦でも受け入れてくれるだけ有難い」

「長旅の後なのだろう? しばらく休むと……どうやら両親から手紙だ」


 現地や後方支援は断れたが、ギリギリを繋いでくれる存在にはなってくれるそうだ。まぁ、その後の不和……反逆やジェノサイド目的になった〈人間〉への責任を担がされたのだが。


「……済まないな君達は『強制的に』ここに居てもらうことに決定した」

「何が書かれたんだ?」

「要するに『そっちに勇者居るんだろ? お前と嫁の対応ついでに、勇者抹殺するから刺客送ったぞ』という話だ」


 やはりゼノはこちらを監視している。星の核まで行けたのだから衛星を飛ばすなど、遊びなのだろう。

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