常にありし影
あぁ! 不定期の仕事だ! 追記:畜生!DLC来てんのぉぉお!
「ゼノムはどこか分かるか?」
「ゲームセンターだね」
「趣味に生きる。それが全て」
「そこの知識が世界を」
「いや、あいつアーケード脳じゃねぇから」
ゼノムから言い渡された自由時間。それはつまり、彼の目が届かない或いは無視の時間という事。
頂点の嫁達は集まり、話をしている。周囲を完全に呑み込んで。
「まずは、シュア、ルーシー。調子はどうだい?」
ククラが二人に質問する。二人は平時の顔のまま。
「何もないよー」
「同じくだ」
「把握」
「不調になる訳がないと思うけど」
質問の意図が分からずヤハラが呟く。神の領域、しかも【外】との繋がりを自認している存在が、調子が悪い時など考えられないからだ。
「それがなり得るんだ……【邪神】の特性によってね」
「と言うよりは【外】からの法則だな。奴らの行動は永劫に『同時』であり、余も妹も致命傷を負った事がある」
時間と並行世界への被害が確定しているのだ。【外】と繋がっているとはいえ、内側の器である事には相違ない。壊れる程度は【外】からしても通常である。
「それを踏まえて、私達がしなければならない事が二つあって」
「お待たせいたしました。天セットです」
「済まない、三つだった」
本題に入ろうとしたところ、注文品が届いた。飯と話を分ける意識は一致しているので、声がなくなる。
黙々と食す美の団体客。暇がある者は目を奪われ続け、冷めた料理がテーブルに並ぶ。彼女らの動作すべてを、脳裏に焼き付けるのが使命と信じて。
「一つ目はゼルの制御。アロから頼まれているの」
「私達には重すぎる……」
「〈虚無列〉さえ発生させなければ、問題はない」
「あの……〈開闢〉や〈終日〉は?」
「【権能】を持たぬシュアでも戻せる現象だ。奴が全ての崩壊を実行しなければ、それでいい」
途轍もない被害だが、嫁には常にコントロールスティックを扱う事が望まれているのだ。そして彼女達が集まれば、時を遡る事なく文明再開さえ可能としている。
「だが大きな影響を及ぼし兼ねない、実行するべき行動がある」
「二人。違う、【邪神】絡み」
「ゼノムが『全天の覇者になるまでの記録』を見返して何度目だ?」
「………まさか、妻の自尊と…? 馬鹿なのか?」
因みにゼノムが見返して13回目である。回を増す毎に、現在から離れる時間が増加しているのは確かだ。
それでも、とうとうククラが壊れたと、オークゥの目は絶対零度となる。
「完全に周回する気になった時に長期だと、諸々に呑まれ易い。それが【邪神】であれ追憶であれな」
「そこで、短縮改変をしようと思うのだ」
【邪神】とはゼノム【有】への破壊意思の存在だ。それでさえ【外】には遊戯なのだろうが、内側はそうはいかない。〈虚空〉の彼方に消えて以来、未確認。全てを越えての同時攻撃が可能ならば、それは当然、ゼノムの思い出しからでさえも出来る。それでゼノムが壊れれば? 自分達が消滅したら? 無を遍満させる〈虚無列〉の発動はミクロの秒読みだ。
ゼノムが追憶に呑まれたのであれば、追憶こそが現在となるのだ。究極の改変能力によりあらゆる時間が、一定期間の円環にて完全となり、その他は同じく消滅するのだろう。
「待て。改変の作業さえ【邪神】との接触ではないか。それはゼノムを介するより、遥かに危険な行為と理解しているのだろう?」
「無論だ」
「なるほど……神として〈輝く失敗作〉と名打った理由が判明した」
瞬間、ドリンクスターが射出され天井に穴が空く。美人達に目を戻せば、そこには『力』が渦巻いていた。
「ふふふふふ……ゼノム以外には掘り返されたくなかったモノを」
「こういう短期もな……さて、久々の運動よの。大乱がなくて暇をしておった」
「ゼノム無しには欠伸をする事もないのにか?」
「少なくとも、爪と牙と鱗が血肉と魂を求めている」
白黒の十二の翼と太古の翼竜のような翼が、席の仕切りを貫通してはためく。
「では、シュア。頭を冷やすのは任せた、ゼノムに分割がバレた」
「え?」
「本当にこれは対処不能だし、避難の指揮するわ」
「危ないけど修理と複製する。お願いしました」
「えぇ?!」
「『俺と関係ある女性がバズってて草』っと。美人の仲裁をしている犬まで女性に入るとは、2割の人間しか思うまい」
[2割とは盛りますね……]




