混沌の世 2-6
やはり王都は落ちたし、逃げた人々も六割減であり、俺の評価はボロボロになった。
『何で向こうの相手をしていた!』
『かえして! お母さんをかえして!!』
『死ね』
こんな言葉に対しては包み隠さず。
『相手しないと背後から来るんですが』
『私が生き返らせると〈魔物〉か〈蘇生〉出来ない灰になるけどいいの? アイテムにしても〈魔族〉が持ち去っているから、頑張って来る』
『〈勇者〉なしで生き残れるなら、そもそも私は産まれてないでしょう。で、ここで私が死んだ場合、どのような軍勢が押し寄せるんでしょうね。いやぁ、大戦犯になる奴の思考は違いますわ』
と自分の考えを出した。それでも止まらない奴らには、言う通りにするという事で。
現在、〈人間〉の領域を離れて森の中。
「ゼル……もっとぉ……」
「記憶を失っていた償いを……お願いします、ゼノム様……」
シュアとリリスに挟まれた状態だ。鼻が物質を感知して、塔を膨張させている。
「いい加減にしろ。何リットル出したと思っている」
「んー? ………〈白濁之月〉かぁ。しょうがない、おやすみ~」
人里から遥かに離れたので、結晶を破壊したシュア。能力制限から解放され、俺を事細かに見られる。
「正妻が我慢されております故、私も」
ワンプレイにより回路が修復されたリリス……他の〈サキュバス〉勢はどこなのだろうか。
森の中ともなれば、基本的にはクレアかヤハラだと思うが、アスカやルシュフェルも十分にあり得る。バルザはオークゥが回収していると思おう。ライマは………ククラと共に冥府かな。
「嫁の安眠の邪魔者は排除やで~」
それなりに貯まる野生生物ないし〈魔物〉達。勿論、拳でTake offして頂いた。
〈神狼〉〈界蔦人〉〈カラキリムシ〉〈不滅鳥〉〈廻天魚〉……あるぇ? 裏ダンジョンが表に出てるぞ~? オークゥの殺しにかかる本気度が伺える。
「おー、下からも来るよな」
群れの切れ目に大地が盛り上がる。一体、何が来るのかワクワクしながら、土が落ちきるのを待つ。
「〈サイクロプス〉じゃ……」
「……!!」
「あっぶ……うぉぅ………連続ぅ、っておい、その鎚使いYO! 何処で習った」
「……」
「あーハイハイ、クレア=サン。安心して下さい。性欲ぶつける事はないですが、見捨てるとかはないです」
待って少しの様子見で、中身を知った。
【有】との接続、〈最高位神〉というものにより想像が大体、当たるようになったのだろう。というか、想像した流れを【創造】する能力が正しい。
「……、……! ……」
「そりゃ、前世使いまくったら、パワーバランス崩壊からの逆恨み発生待ったなしだわな」
「……」
「解除して暇なものは暇だよな~」
「………」
「いや、何で来たルーシー」
どうやら2周目ヒャハーしていたところ、封印されたらしい。そんな事よりルシュフェルの動向が問題だ。
混成軍に〈悪魔〉はいたので、今回は大陸を滅していないと推測される。確かここの世界地図は、中国とオーストラリアしかなかったものだ。海ステージが地獄すぎないか? ワープ航法でもあればいいが…。
「いたい。無言で引きちぎろうとするのはやめてくれ。シュアが寝てるからマジで死ねる」
「……」
「EX素材なのはそうだけどさ! 一応、種族〈人間〉なんだよ」
「チッ」
「露骨ぅ!」
これでするべき事がはっきりした。〈転生〉システムの利用である。種族の完全自由選択の為には〈世界樹〉〈水淵劫里〉〈七空〉の素材が必要だったか。
「〈転生〉の準備ツラいわー」
「…………………………」
「予見してるよな。……まさかアロクルさん、重要アイテムの置き位置を変えてない説」
あり得る。いや、変えていたところで『幻想脳~レア物が取れる特殊ダンジョンの入場条件とは~』を嫁達は聞いており、推論からオークゥが、発掘に成功していても不思議はない。
「まずは〈世界樹〉からだな。上手くいけばヤハラも見つけられるだろう」




