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ゲーム好きの嵐

 朝から気が抜けたが、昼が近づく頃には欲と共に戻って来た。


 魔法世界から帰還した上で、何をするのか? それは無論、この世界でしていた日常に戻る事だろう。

 起きてログインとデイリーを済ませ、飯を食い、対人戦モノとNPC討伐モノを繰り返し、飯を食い、チャットと化したコメント機能を使い、更新される画像を集めに出る。


[学生時代の休日である]


 戻りたい世界がそうなのだから、仕方ない。今ならば、それで稼ぐ事も可能だ。


 幸いにも、新作が出ていない対人ゲーがあったので起動する。家族が残していなければ、造らざるえなかったな。


「〈廃機能衛星〉の1-7まで起動」

[りよ]


 ククラに指示を出し、魔導衛星を浮かばせる。多少は自動修正するが、大部分の入力は俺には出来ない。


 自身を、頂点だが器用ではない性能にした【有】を怨みつつ、対戦相手を待つ。


「地獄はこれより始まる。刹那を見通し、全てを掴む我が」

[初プレイに即死コンボを放つレベルの鬼]

「まぁね、廃人が潜ってる事を祈るわ」


 それでも勝つ未来しかない気がする。理由は単純に『見える』レベルの違いだ。ククラ抜きでも俺は、超反応AIを可能としている。システム動作の可視化と追い付ける指や脳。このスペックで負けるとするなら、存在しない動作へ対応しなかった時だけ。


「最初の犠牲者さんです」


 俺が操作するのは、所謂、重量キャラだ。機動力や技から技への繋ぎが遅い若しくはない代わりに、一撃の火力が高い。

 相手はオールラウンダー。このゲームの基礎的部分を、詰めに詰めたキャラだ。特異としては、強制反転と遠距離押し出しの二つ。


 しばらくは小技でのダメージの与え合い。


 久し過ぎてMが発動したのだろう。俺は分かり易い逃げの姿勢を見せ。


「あー、持っていかれちゃった」


 残機を減らされる。本来であれば、重量キャラの先死にはピンチとなるが、今の俺には無問題。


「ジャスガ! 読み! 歩き回避ぃ!!」


 変態の技術が溢れる化物だ。通常範囲状況において『負ける要素がない』。着々と残機を削り。


「喰らえ! 実質、暴発!」


 大技を決めて勝利を納めた。


 やはりゲームは楽しい。魔法世界にはない高揚がある。


[大元さんが何も創造してませんしね~。性質は似るもの]

「そんな事でレート戦から逃げるな」

[マゾゲーセット欲しいかい? 今なら修正パッチ付きだよ]

「むしろ重篤バグが増えそう」


 そしてレートを上げきり、廃人らしいプレイヤーにも当たった。らしい存在にはパーフェクトゲームしかしていないが、彼らのレベルなら気付くだろう。


 『ラグの少なさ』に。いや、少ないどころではなく『オンラインなのにオフライン』という革命にだ。場合によっては『優良チーター』とユーザー名がサムネになる。


[Pja2d、ハームハハ、たなか。配信中だったもよう]

「強制登録だ」


 確認が取れたプレイヤーは、ある種の地獄に登録される。トッププレイヤー同士がマッチするようになるサーバーだ。海外とも繋がり神試合が頻発という、緊張感しかない世界……誰が最初に燃え尽きるかなー?


 

 他のゲームを始めに家を出る。アーケードは、センターに行かねばならないからな。


[トイレより現れる音の神……]

「黒鎧の騎士が民家より出てくる事があってな」


 無論、移動賃など払う気がないので転移だ。金は落ちたものを召喚。機材もトイレ内部にて造る。


「カメラについては頼むわ」

[監視の方じゃろ]


 セッティングと撮影許可、そしてユーザー登録。最新の最高難度は出すまでが長いので、古めの曲を選ぶ。


「ふりかけは片手でかけるもの。そうだろう?」

[すげぇ、壊れないが本体すげぇ]


 人類には到底不可能なプレイスタイルだ。雨を片手で捌くなんて芸当、異世界帰りでない場合『こっちに転生した』としか思えない。


「何だあれ、俺を誘っているのか?」

[常人の地獄に歓喜してやがる]


 ある程度の変態が撮れたので、次はシューターになろう。

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