混沌の世 3
施設は随分と整っていた。本来の時間ではプレイしていないものを、楽しみ全力で生きている。
機密の建物であるが故に、ネット制限がかかるかと思ったがむしろ推奨された。逆に日頃からアタックされていた方が、完璧に近付ける事が出来るだろうと。
[そして行うはレスバである]
「この世界だからこそのスレ、動画、GIFを《内対》に落とす…完璧ではないか」
[珍妙事件の監視という、仕事との両立を可能にしている屑]
「問題点としては、ただの狂人の割合が高いこと」
[些細なもので滅ぶんだからシカタナイネ]
ネットという、人手が特に欲しいものを俺は担当する事になった。ちょうど黎明期で、通常でも摘発が遅れる時代だ。知識人()と知識人(本物)が居るおかげで、いくらかヤバい事件を早期に鎮めているそうな。
「飽きたな」
[デコイ置いて外出ぅ!]
しかしながら、画面以外に変化がないので飽きてくる。
そんな時には連絡用デコイ(首斬りインターホン)を置いて、嫁と異常を求め出るに限る。
嫁は縁の地に近い場所や、存在になっている可能性が高い。問題は縁と言っても生誕とするか俺とのイベント、人生の大勝負と幅がある。とりあえずは自然の中から探して、人工物はその後だ。
しかし、国外は禁止されている。向こうの方が本場らしいしな。
大自然で日の出を味わう。良い気持ちになれるが、こういう時にも観察は欠かせなく、快感は一瞬。微細な変動に集中する。
[日の出スイッチは今はないぞ]
「了解」
朝になった瞬間がキーの存在は、確認されなかったらしい。朝の間は、何かしらの状態での接触がキーか。
山の中を歩いたり駆けたり、五体投地で進む。速度や姿勢まで条件に含まれ、場合により挑発や芸能の披露も……。
「全状況想定……言動の全数調査って地獄じゃね?」
[それはそうと魔力を検知してんだ]
「早くいえ」
[既知人数による性質変化があるかも知れないじゃないか、視認すればトラウマを型どる事もあるし]
ククラが魔力を、言うなればあの世界の欠片を発見していた。出来ることなら家族…戦闘力不足の子らと嫁が良い。
[いやうん。【外】が悪ノリしない限り、死んだりする事なくね?]
「勝手な売り買い交換にせよ、取り返しがつく事しかないからな」
言う通りに【外】は悪辣でもあるが、娯楽として下位世界を扱うのだ。【邪神】と【有】ではセンスが異なる為、互いの理想状態はセーブ済みで、ここはあくまで混ぜて楽しむ目的の世界。そう想定すれば気が楽だ。きっと他世界では、嫁と禁則事項して子供達と遊んで自ら混沌にして楽しんでいるのだ。
そんなに変化がないじゃないか、流石は【有】。ブレないという正義。
色々考えている間に事は進まなかった。まぁ、此方が先手で討てるように準備していたのが悪いのだが。
「大の字」
[焼きましょうか?]
「そのBGMはやめろ。狩りを始めなきゃ」
[これは情報災害…]
「きっとジョークと本来の逆転も、起きてんだろうなぁ…」
寝転がるがまだ不干渉。これは黙って睡眠中のような状態にしなければ。
10分は後、体が根に縛られた。自身の魔力が抜かれるが、ついでに逆探知も乗せてみる。分散耐性レベルを上げて…。
「…」
「あ~、心配する事はない。君に害を与えに来た訳ではなく、接触して存在の周知、可能ならば我々の元での保護を」
「…!」
絵に描いたような植物娘が現れる。様子としては感動だろうか、俺に飛び込んで来た。
流石にこの距離になれば、相手の魔力が何なのか理解する。
「転生しちゃったな、ヤハラ」
「…」
体は動かせるが発声能力はないらしい。それでも生きてくれていた事に感謝だ。
(こっちはどうだ?)
(大丈夫みたい。まさか貴方さえも変わってしまうなんて)
[まさかオークゥに向けていたものを、自身へ向けるとは思わなかった]
(……えぇ、そうね。それをしてこそゼノムよ)
(それで、土から離れられそうか?)
呆れられたが安定の俺ということで、ヤハラを安心させたようだ。そしてこの場から、離れられるのかを聞く。
無理だったら、俺の住処をここに変える必要がある。何故ならば、最初の世界で見ていた設定通り。つまりは完全排除目的で無害化では済まさずに、動く組織があるせいだ。
[聞いている暇はないぞ。悪意の武装集団だ]
「はっはっはー。『死な安』は許されない」
むしろ『俺は対象外だから』と被害を出していた気がする。




