全力(日常比)
ダチがフ○ム脳になりそう。
マルチバッドエンドな神話を形成するプロに。
う~む。物語を書く才能の欠片ってそんなもんじゃな。
「至福! これよクォレッ!」
その男は喜びにより、リミッターが破壊し尽くされていた。
「圧倒的火力、無限のスキルによる裏打ち、しかし動作はあくまで打撃! 拳と足と頭の弾き合い、間に起きるは創世をしても余る閃光、熱量、衝撃、爆音!」
「少しは黙って闘わんか、ゼノムッ!」
「黙らせてみろよ、力の嫁序列一位オークゥ!!」
最外縁の世界の頂点【有】。それに愛されたのか、都合が良かったのか、ともかく内側での頂点となった男、ゼノム。
そんな男の琴線が張れ膨れる経歴と見た目を持ち、同じように集められた女達の、戦闘における頂点であるオークゥ。
その二人は今、相殺による創世の花火大会を開催していた。
理由など特にない。ゼノムがただ単に、戦闘を目的として魔力を発散したくなった、それだけなのだ。
【死ぬわこれ】【やめろよやめよ】【死にたくな~い】
「最初から最後まで、大人しくしておれ。待てば【外】へ【解脱】はさせんぞ」
【まさか】【お前だな?!】【よくもアドレスを!】
「【外】の個人から引いているのは、力だけであり貴様の【アドレス】なんぞ知らぬ」
檻を持ち運ぶ白黒六対翼の存在、ルシュフェル。檻の中には好奇心旺盛な【邪神】が居る。
ゼノムの意識が向いていない最中で、釈放するような暴挙が出ないように、力序列二位が監視中なのだ。
『くぅ……直ぐに割れちゃうよぉ……』
『貴女以外の結界だと、余波で世界が揺れているから。自信持って』
『地獄の阻止。天使の役目』
ゼノムが十分に暴れられる空間の維持。それは上位の神格にしか不可能である。
〈実験場F〉の〈熾天使〉より解放されたシュアは、その格を上げ続け、【癒の者】を降ろせるまでに成長した。
シュアの結界の破裂も凄まじい威力を出す。完全に止めているクレアやヤハラも、恐ろしい存在になった。
「ぬぅ!」
「ラァッ!」
ゼノムの拳を額で押し返したオークゥはそのまま、下に入り脇へと蹴りを放つ。ゼノムは肘と膝の挟撃により、オークゥの足を砕く。挟まれた箇所を軸にオークゥは回転し、ゼノムの顎に拳を当てる。後ろに倒れかけるゼノムだが、勢いを利用してオークゥを投げた。
「チッ、終了のハグをしていれば」
「不完全燃焼だからって、ベアーハグに移行したあの日は忘れない」
「それで? 温まったか?」
「まだ疲れてないぞ」
「殺す気か?」
「【龍】なら受け止めてくれるかと」
「ゼノム、自分の一つ下との間に、どれだけ厚い壁があったか覚えているだろう」
ゼノムにとってオークゥは【強大】であり【力】である【龍】なのだ。洪水、噴火、落雷、台風。世界を包む存在。混ざり者の自身とは異なる、頂点であるべき存在。
「あぁ、一回死ぬ必要がある位にな」
「我と主の差はまさにそれよ。例え【これを使おうと】」
オークゥが【外】勢以外からは、観測不能になるレベルに加速した。ゼノムが無抵抗で飛ぶ。
(負傷箇所なし……全く、どれだけ硬いのだ)
彼女のターンが続き、軌道と接触の光が星系を描いた時。
「美しい…」
「【ほざけ】【無傷であろう】」
「では、ぬるりと本気になりますかね」
ゼノムのスイッチが切り替わった。まず、存在が薄まり目の前に居ながら〈空間支配〉の範囲外となる。次に〈未来予測〉や〈起点確定〉からも行動が漏れ始める。
「ぐっ!」
「…」
捉えられぬ〈打撃〉はあらゆる〈耐性〉や〈無効〉を無視してダメージを与える。
「【やはり】【手加減ではないか】」
「【因果死】〈星幽死〉〈魂魄消滅〉〈精神停止〉〈全体崩壊〉。どれを使おうが永久にお前を抱けなくなる。それは認められない」
「【変態め】」
かといって、攻撃の手が休む事はない。オークゥもまた、諦めの目にはならない。
『にゃぁぁぁぁぁあぁぁ!』
『シュアが猫に!』
『レアね』
「【行けよ】」
「やだ」
追記:この戦いは後に『一年闘争』と呼ばれる事になるとか(丸投げ)




