ゼノムにとっては実験場
ククラ[推奨:他世界での実験]
ゼノム「不安要素のデータが取れるとか最高やん」
有名RPGの初代がDRPGとなってリリースされた。
『技術開発としては余りにも急速では?』
『いくら医療機関との連携があるとはいえ…』
『しかし画期的なものには違いなく、テスターの高齢者の中には反射神経の向上が見られ……』
異世界転移の帰還から二年が経った。高校は、持ち帰りの能力を駆使して、留年無しの年度で卒業し、それぞれの夢を叶えたり破れたり。
再渡航へはやはり魔力量が足りず、流石に地球の中心を調べようとしていたら……何か大事だ。
「絶対ゼノムだろ」
『あぁ…雅人がうるさくなるな』
電話相手の主水が先を見越した発言をする。いや、スペックを考えるなら本社とされる場所に、突撃していても不思議はない。
「とにかくこれはヤバい……購入しろと叫んでいる」
『実験をするにも丁度良いな。この次世代ゲーム機、つまりはナノマシンというオーバーテクノロジーの解析だ。しかも』
「『魔法付き』」
やっと現れた向こうとの繋がりだ。無駄にする訳にはいかない。
『……なぁ、これって要は、魔力譲渡だよな?』
「そう言えばそうだが?」
『日頃から魔力に触れてない人類が、触れて問題ないのか?』
「……影響はあるだろう。感情が漏れ易くなるとか」
『奴の実験場か……アロクルも可哀想に……』
ゼノムはノリで〈人間〉を絶滅させた存在だ。あれで元々は、同じような地球の日本で育ったというのが信じられない。そんなゼノムが魔力の充満による、犠牲者を想定していない? それこそあり得ないだろう。
「俺達も諸々の暴走に気を付けないとな」
『霊とかも活発になるだろう。全員の武器の携帯を許可するか』
「銃社会感」
『ノブレス・オブリージュ。酒はあくまで本性を暴くだけ』
肉体能力でさえ過剰なのだから、警戒して当然だ。しかし、持っていれば守れたなら、持たせなかった者を恨むだろう。
「とりあえず直ぐに来れる奴は集合だな?」
『俺は特に聞きたい奴がいるからな。書類は絶対見てやがる』
主水との電話を切った。現在は夕の5時なので、集合にはそう時間はかからない。グループ通話もあるのだ、ほぼ全員が集合出来るはず。
集合した人数と通話中の人数を数える。
「……茶化四天王はどうした?」
「議題のそれを点滴中だ」
「は? 注射のはずなんだけど」
「全員がテスターからの入社を果たして、多量化の実験に志願している」
恐るべし運である。そして連絡を寄越さなかった理由は単純に、優越感なのだろう。気持ちは凄く分かる、自身も集会が無ければ総合病院に駆け込んでいた。
「じゃあ、先行プレイしまくりってことか……」
『なんなら小ネタや特殊コマンドを仕込めるぞ……』
「R-18版の購入の時に安そう」
「さて、四天王は置いといて。奴が現れたようだが」
全員の視線が雅人へと向かう。唯一人の認識違いの男に。
「今まで来なかった理由を聞かないとな。きっと向こうで苦労しているはずなんだ」
「まぁね。あの強さなら直ぐにでも、干渉してくるだろうし」
「きっとハーレムに飽きたんだよ」
『ハーレムからの逃走があり得る。女の根回しはヤバい』
『詐欺から始まった恋さんが言うと……ぶふっ……やっぱ笑うなは無理だわ』
『ふぅ……帰国したら、お前から殴るとしよう』
適当だがあり得る事を言っていく。ゼノム・ルマ=アウゴとゼノ・クラックの違いは、その生のルートと実力のみで、主義主張嗜好は同じなのだ。仮にゼノがゼノムを呑み込んだとして、ゼノムの尻拭いは相当の時間を要するだろう。
「これで向こうに行く理由の一つが消えた」
「研究は止めさせないぞ? 俺の美意識が懸かっている」
「美女での傾国ってこんな感じなんだろうな」
ゼノムに会いに行く。という理由がなくなったが、神代の美意識即ち、愛が満たされるには異世界に行くしかない。他の実力が暴発しやすいと申告している人達からも、無言の圧力がある。
「ともかく入手だな。TVやネットが言うには、DNAレベルでの個人特定が可能だそうだ。間違いなくログインすれば、向こうは知るだろう」
「本社に悟は居ないのか?」
「あいつの事だ、ナレーションをしている」
「やりかねん」
雅人の本社凸を主水が止めた。確かにあの男ならば、ゲームを生命体なら死ぬレベルでプレイするだろう。何より自分が勇者を導く側となれば……。
って、また実質的に掌の上かよ。今回の場合は元から、そういうストーリーだから仕方ないが。
追記:ゼノム基点世界とゼノ基点世界を繋げるのは
バーチャルコンソールのみを使用して
未開封カセットにクリアデータをセーブさせる位に難しい事です。
ククラ「また、矛盾しそうな設定を」




