122話
遅れて申し訳ないです。
122話
北へと、足を進め進むことしばし。
「景色が全く変わらないね。」
「まぁ、そうだな。偶に色の違う木があるから採取してるけど基本変わらないしモンスターもいないよな。」
「そうよね。」
もう少し進むと岩が少し盛り上がり壁のようになり他と隔てられ部屋のようになっているところに出た。
「見るからに怪しいけどすすむ?」
「そうだね。」
「いや、二人共まって。よく見たらトレント系のモンスターがいるみたいだよ。」
「え?まさかアレ全部?」
「多分そうじゃないかなぁ。」
部屋のようなところにはざっと100本程の鉱石の木が生えており逃げ道はなさそうだ。
それに、避けることは出来そうにないくらい部屋の周りの道は狭くなっている。
というか、道はないな。
「もどるか?」
「でも戻るのもあれだしすすも?」
「しょうがない進むか。」
オレ達は気をつけながら中へと進むことにした。
《外殻で一定数の採取行為を確認、シークレットエリアに入場しました。これより鉱石樹のパーティーを開催します。一定時間攻撃、スキルの使用ができなくなります。パーティーを楽しんでください。》
「今の何?」
「パーティーを楽しむとか言ってたけど·····」
「周りの木が動き出したよ!気をつけて!」
「ホントにスキルが使えなくなってるみたい!」
「っく、どうするか。」
「くるよ!」
地面から根を地上に出してそれが足のようにまとまり、枝が顔や腕といったものを形作っていった。
次の瞬間眩い光に溢れ目を瞑り、光が収まったあと目を開くとそこに広がっていたのは鉱石樹の森では無く人形になった鉱石樹がドレスやタキシードを着て更には中世のお城の広間を思わせるパーティー会場だった。
「って、なんだこりやぁ!」
「ホントにパーティーをするのかな?」
「ねえ、二人共服装変わってるよ。」
「わあー、ホントだ!ヤサメくん似合ってる!」
「うお、ホントに変わってる。ミトは薄い黄緑のマーメイドドレスか?似合ってる!」
「あと、フリューゲルくんは首に蝶ネクタイだね!かわいい!」
「かわいいって、僕オトコなんだけどなぁ。」
「まぁ、いまのデフォルメされた姿だとかわいい系だから諦めろ。」
「むう。納得行かないけどとりあえず楽しんだら?」
「楽しむって言ってもなぁ。何したらいいのか。」
「やっぱりダンスかな?」
「ダンスって言ってもオレ踊れないぞ?」
「そんなの私もだよ。」
「「どうしよ」」
《ダンスアシスト機能を設定します。規定時間アシストに従って踊ってください。規定時間が経過しますとアレンジタイムになりますのでオリジナルの踊りをお願いします。》
「アシスト機能はいいけどオリジナルダンスって。難易度高いなぁ。」
「とりあえずやってみる?」
「そうだな。」
オレたちはダンスが行われている中央のスペースへと近づいた。
《次の曲の開始時間までお待ち下さい。あと1分です。また、合格基準は70点となります。》
「曲の途中からの参加はできないのね。」
「そうみたいだな。それに合格基準とかあるがもしかして合格しないとクリアにならない?」
「そうかも。それにもしかしたらアシスト機能使うとそもそも点数が低く採点されたりとかあるかもね。」
「有り得そうだな。そうするとしっかりステップとかを意識してやらないとな。」
それから、オレたちはダンスをしたが案の定アシスト有りだとあまり高得点は取れず30点ほどが限界だった。
もう一回踊ろうとしたとき
《ご来場の皆様にご案内致します。本日のパーティーはもう間もなく閉会となりますのでお忘れものなどないよう確認しご退場願います。また、のご来場お待ちしております。》
と、アナウンスがあると同時に元いた空間に戻ったようで石の壁のある広間が消えていた。
「だめだったかぁ。残念。」
「でも、またのご来場をとか言ってたし同じ手順を踏めば行けそうだけどな。」
「今度こそはクリアしてみせる!と、言うことで拠点に戻ってダンスの特訓よ!」
「お、おう!」