男のツンデレとかマジ誰得
「男のツンデレとかマジ誰得」
あるネット小説の短編を読んだ俺の感想がそれだった。
いや、まあ誰得とは言ってみたが、誰にとって需要があるのかは分かる。
この小説は明らかに女性向けの恋愛小説だ。
男の俺には理解できんが、一部の女の目から見れば、このツンデレヒーローが魅力的に見えるのだろう。
分かってはいる。だからまあさっきのは、要は自分には全く理解できない属性に対して、思わず悪態を吐いただけだ。
「それにしても……女をこんな風に貶す男のどこがいいのかねぇ」
照れ隠しとはいえ、女に暴言を吐くのはどうかと思う。
まあこれが性別が逆だったらアリかな、と思ってしまう時点で、俺も人のことは言えないのだろうが。
「ま、女向けと分かっていながら読んだ俺の自己責任だな」
そう言い聞かせることで、胸の中のもやもやを抑え込む。
さて、気分を切り替えて作品の評価を入れよう。
う~~ん……まあ文章自体は読み易かったし、特に誤字脱字も無かったしなぁ…………うん、5点入れといてやるか。
ストーリー……まあヒーローの属性は気に入らなかったけど、それは俺の好みの問題だしな……なんだかんだで恋愛モノとしての筋は良かったし、完成度も高かったから…………そうだな、5点入れといてやるか。
あぁーー……結局満点評価になっちまったな。
せめて感想欄に「ヒーローのツンデレがちょっとどうかと思う」って書いとくか。
……いや、わざわざ高評価しておいてそんな水を差すようなことする必要もないか。
主人公は可愛かったから、そっちを褒めておこう。
え~っと、「主人公のヒロインが健気で良かったです。これからも執筆頑張ってください」っと……。
ふぅ……ん? この作者、他にもファンタジー作品書いてんじゃん。
そうだな、さっきの短編もストーリー自体は面白かったし、ちょっと読んでみるか。
いやあ、それにしても……
「男のツンデレとかマジでナイわぁーー」