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パフェイン0%  作者: 全州明
第二章 『前触レ』
9/18

『晴』



 降り注ぐ陽の光に照らされて、乾き(ひび)割れた地面には、いくつもの影が出来ていた。

 しかし人気のない道路に立つ者の足元にだけは、(おとろ)えなく陽が照りつけている。

 代わりにその者の姿は影を(まと)うように黒く、その輪郭は蜃気楼(しんきろう)の如くぼやけている。

 存在すら曖昧なその者は、あるのかもわからない口を開き、しゃがれた声で呟く。

「見ツけた」

 その不確かな視線は、薄暗い路地裏の脇に倒れ込む、一人の少女に(そそ)がれていた。

 ぼんやりと形の残る両足で、一歩一歩、確かめるように近付いて行く。

 足音一つ立てぬその両足は、まるで質量を感じさせない。

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