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ゲーマー忍者の異世界無双   作者: 世捨て人
一章・戦乱との邂逅
3/73

指名手配犯ハヤト

「姫様ッ!!!」


男が叫んだときには時すでに遅し。ハヤトは鎧姫に刃を向けていた。


少女は「やられる」とか思ったに違いない。しかし少女の体に刃が突立てられることはなかった。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・・」


無理やり着地すると一心不乱に謝り続けていた。

それを見て唖然とする一堂。


「なんなのだこの男は。貴様、名を名乗れ!」


「ぼ、ぼくはハヤトです・・・あの...さようなら!!!」


脱兎のごとく逃げ出した。


「待てっ!!みなのものあやつを追え!!」


「無理です!!あいつ恐ろしい足の速さで馬でさえ追いつけません!」


ハヤトは忍者補正のおかげで100M5秒かからないような脚力を手に入れている。


「くそっ!!指名手配だ生きてつれてきた者には望みの品を与える

国中に伝えろ」


「はっ!!!」


成り行きとはいえ指名手配犯となってしまった。







「はっ!...はっ!....はっ!...なんとか...逃げ切れた...」


息を切らして川のほとりで休む。


「まさか大将女か~女怖いんだよな~」


女性恐怖症はいまだ継続中だ。


「もう会うこともないか・・・それよりここどこなんだ」


案内も何もなく連れて来られた世界だ、知っているほうがおかしいといわれそうなもんである。


「とりあえず街に行くか」


と思ったときふと自分の服装を見てみる。

忍び装束だった。


「なんじゃこりゃっ!?全然気づかなかった・・・これ、忍びオンラインの俺のアカウントの装備じゃねえか」


これで初めて戦場に出ても十全に戦えたのかの理解がいく。


「ということは」


なにかを思いついたのか手をヒュイヒュイと縦に動かす。

するとメニュー画面のようなものが浮かび上がる。


「やっぱりゲームじゃねえか。でもさっき血が出たしな」


そう、ここはゲームが反映された現実だ。


「とりあえず変装アイテムがあったはずだ」


ストレージを動かしていくとそれらしき表記が見える。


「とりあえずこれで」


忍びとは街に密偵として忍び込むこともある。

よって変装アイテムは必須なのだ。


「アイテムは消えないのか」


現実なのでアイテムが独りでに消えるなどということはない。

何度も使いまわせるのはありがたい話だ。


そして変装完了街へと潜入する。


「忍びといえば敵状視察は必須だよな」


この男、忍びライフを楽しんでいるのではなかろうか。





ウィリアナ公国・・・・。


雄大な自然と広大な領地をもつ大国のひとつである。

しかし現在近隣諸国と苛烈な戦争状態にある戦争国でもある。


「これが街?でかい国だけど寂れてるな」


さすがに戦争ともなれば町の景気、男手から食料、なにからなにまでが失われていく。


「戦争なんて見てるだけで嫌になるな」


さきほどまで自分がその戦争をかき乱したことを忘れているのだろうか。


「店もなにもない・・・」


あたりを見渡すと壁に貼られた指名手配書に目が釘付けになる。


「なっ...なっ...なっ...なんじゃこりゃあああああああ!!!!!!」


異世界二回目のなんじゃこりゃあいただきました。


「俺が・・・指名手配・・・てか似てねえな。俺こんな顔じゃねえし

こんなどこぞの皇子じゃねえんだよ」


書かれていたのは金髪で目が切れ長蒼眼、さらには髪も長い一世代前のイケメンの形そのものだった。


「はぁ~...異世界来ていきなり指名手配か~...どこいっても俺の人生くそだな」


「目撃情報はこっちか」

「間違いないこっちだ」


なにやら兵士たちがこっちに走ってくる。


「いたぞあいつだ」

「捕まえろ!!!」


血眼になって追いかけてきた。


「うそ~!!!」


ハヤトは逃げるしか道がなかった。捕まれば尋問されて殺されるだろう。

すぐ目の前の家屋の屋根まで跳躍し逃走を図る。


「逃がすな追え!!」


「付いてくんな馬鹿野郎!」


「貴様を捕らえろと姫様のお達しだ」


「名前いわなきゃよかった~!!!」


いまごろ名乗ったことを後悔する。


「くそっあいつ速い!」

「あれを使うぞ」

「おうよ相棒!」


なにやら物騒な話が聞こえてくる。


「なんだ?」


「いくぞ近代武器」


長いライフル銃を取り出す。


「マジかっ!?」


「いけっ!!」


「生きたまま捕獲じゃなかったっけぇ!?」


大声で問いかける。


「安心しろぉ!こいつは睡眠弾だぁ!!」


「近代的すぎんだろぉが!!!」


「当たれえ!!!」


様々な思惑を引き起こすであろう凶弾をハヤトは弾くことはできずまどろみに堕ちた。


「く・・・そ・・・が・・・」


そこからの記憶はぷつりと途絶えた。











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