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ゲーマー忍者の異世界無双   作者: 世捨て人
三章・狂乱の竜王
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友からのNAME

「この...馬鹿野郎がーーーーー!!!!!」


ドラゴンは遠き昔に自分の頭を殴った人間のことを思い出していた。


「何回人食ったら気が済むんだ?」


そんなことを眼前に迫っていわれてもドラゴンからしてみれば至極当たり前のことなので怒られている理由がわからない。


「お前も食い殺されたいか」


そう聞いたはずだ。しかしその人間は。


「俺がお前の餌に?ありえねえよ」


そのはにかんで答えた顔を今すぐに食いちぎってやりたくなったが、それはできなかった。

なぜかそんな気がしたのだ。


「お前仲間とかいないのか?」


「ドラゴンは一匹だ」


「可哀想なドラゴンに友達をプレゼントしよう。

俺と友達になれ」


馬鹿げたことをいう人間だ。心の中で大いに馬鹿にしていた。

しかし、その人間の目は真剣だった。


「ドラゴンと人だぞ。しかも俺にはダチなんぞいらん」


「それ関係あるのか?それを言うならアリとカマキリは同じところにいられないぞ」


この人間本当に馬鹿だ。アリとカマキリが一緒にいるからなんだというのだ。

本気で馬鹿にしていた。


「どうだ?俺とダチになる気はないか」


「ダチなんていらねえ」


するとその人間は自分の背中を伝って上ってきているではないか。


「降りろ人間!そこは誰も乗せねえドラゴンの誇りだ」


「俺の名前は____だ。あと誇りとかくだらねえこと言ってねえで乗せてくれよ」


もう取り付く島もない。


「わかったよ...ダチになってやるから」


しぶしぶ承諾した。これもいつかはこいつを食ってやろうと考えてのことだったと思う。


「ほんとか!?お前名前は?」


「名前...ない」


ドラゴンには親が存在しない。正確にいうと名付け親がいない場合が多い。

リヴァイアスのような有名なドラゴンであれば名前が生まれる前から確立していることがほとんどだ。


「俺がつけてやるよ。そうだな....」


と何も言ってないのに一人で考え始めた。


「おい...」


「よし。お前の名前は....」


その後その人間とは人間が死ぬまでの五年間ずっといっしょだった。







(この感じは...壱夜刀か)


「お前は壱夜刀ひのやとか?」


思わずそう聞いてしまった。

やはりかつての生涯でたった一人だけの友のことを忘れられなかったのだろう。

そしてそれと同じ感じのする人間が気になったのだろう。


「俺の名前はハヤトだ」


「ハヤト...」


そりゃそうだよな。あいつは死んだんだ。


「おい人間」


「あ?今名前言ったぞ。俺の名前はハヤトだ」


この反応まで同じか。

やはりどこまでもハヤトがかつての友、壱夜刀(ひのやと)に思えて仕方ないのだろう。


「劣勢みてえじゃねえか。なんなら力を貸してやってもいい」


「力を貸すだ?違うな。お前は俺に服従をして犬のように使われるんだよ」


(タチ)の問題で言えばこっちのほうが最悪だった。


「この俺を犬のようにだと?笑わせる」


「なんだよ。不満か?」


「いいや。大いに結構、貴様のような人間を何年ぶりにみたことか。

いいだろう、貴様の足にも手にもなってやろう。我が名は...」


ふたたびお前にもらった名前を名乗る日が来るとはな。


「朧だ」


「朧か。超イカした名前だぜお前」


「しゃべるのはあとだ。どうするのだ?」


「あの水龍を落とすぞ」


「承知!!」


朧は体をうねらせてリヴァイアスに向かって飛翔する。

そして大口を開けてリヴァイアスに噛み付こうとしたがすんでのところで避けられてしまう。


「火遁・花火」


ハヤトはリヴァイアスの体の側面に今が好機と一撃必殺となる花火を放つ。


「させませんよ」


ヴォイスは短銃を取り出して発砲。弾丸が見事に花火の火種に命中、弾と溶け合って弾の中で爆発を起こす。


「裏切るのですか忍龍」


「へっ!裏切るもなにも俺は最初からてめえに味方する気なんぞなかったぞ

それと...」


「なんです?」


「俺の名前は朧。生涯たった一人の友から貰った大事な名前だよく覚えとけ」


「ドラゴンが名前をもらうなど...嘲笑の極み。馬鹿馬鹿しい」


「名前もないお前はさらに馬鹿馬鹿しいけどな」


ハヤトが横槍を入れる。


「そうですか。貴方はあくまでも私の邪魔をしますか。私の美しきカオスの邪魔をするというのですか」


「ああ、いくらでも邪魔してやる。俺がいる限りこの国に手出しはさせねえ」


「目障りな。ドラゴンどもよ、あの愚かな人間と裏切り者を始末せよ!」


ドラゴンたちは命令どおりにハヤトたちに向かって羽ばたき始めた。

朧は空を縦横無尽に飛び回ってどうにか振り切ろうとする。


「火遁・菊火」


「龍式忍術 倍加の術」


ハヤトでは一発が限界の菊火を朧の忍術で倍々に増やすことで敵の数を減らしていく。

しかしまだまだ敵はいる。


「くっそ。キリがねえ」


そのとき伝令役のカラスが飛んでくる。


「なんだよこんなときに...トランシーバー?」


ピーガーとかいうノイズ音のあとトゥーナの声が聞こえる。


「ハヤト。あなたの言った電磁砲作ったわよ即席だけどね」


「ちょい待て。それ撃つ気か!?」


「もちろん。もう準備はしてるんだから」


「実験は!?」


「そんなのぶっつけ本番」


電磁砲の危険さをわかっていない証拠だ。


「もう言っても聞かないんだろ。わかったじゃあ撃ち方説明するからその砲台から30Mくらいは離れてくれ。焼け死ぬぞ」


そして事細かに説明したあと発射準備が整う。


「いくわよ」


「朧!あの砲台の真正面から離れてくれ」


急いで避難指示を出して退却してもらう。


「電磁砲発射!!!!」


電磁の光線がドラゴンの群れに向けて放たれた。







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