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ゲーマー忍者の異世界無双   作者: 世捨て人
二章・脱獄の復讐者
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六対六

「おらぁ!」


リヴァルの拳がこめかみを掠める。


「後ろががら空きだぜ?」


ウルディオが首筋に向かって大鎌を振り回す。

ハヤトはうずくまるように首を曲げることで避わす。


「どうした?劣勢だぞ。そんな力量でわれらを全員相手にするつもりだったのか」


ヴォルールが(だん)を連射。ハヤトに向かっていくつもの弾丸が飛んでいく。

ハヤトは弾のひとつひとつの軌道を見切ってすべてを忍刀で斬る。

地面には空薬きょうがバラバラと散らばる。


「こんなもんか?」


「ガードが甘い」


ピイェがフェイントも何もない普通の斬り込みを仕掛けてくる。

当然ハヤトはなにもなく受けるが。


「叩き折れ。(ほふり)


刀同士のインパクトの瞬間、忍刀のほうが折れる。

細さや長さといった壊れる要素の多さで言えば(ほふり)のほうがはるかに上だ。


「くっ!...」


折れた刀は根元からぽっきり逝ってしまってもう小太刀にすらできない。


「これが(ほふり)の力だ。(ほふり)の前ではすべての刀、剣は無力な鉄の塊に変わる」


「チャ~ンス!!」


丸腰のハヤトを見て絶好のチャンスと見たのかラトロが再び斬りかかる。

が、ハヤトにはまだ一本刀が存在する。

ハヤトはラーマからもらった刀で受け止める。


「あ?なんだよそれまだ持ってるんじゃん」


「壊刀・影虎」


白光の美しい刀身の刀で刃渡りもちょうどよく、嗜好の一刀といえるだろう。


「そんな刀焼き払ってやる。

灼刀・焔ァァァ!!!」


焔から発炎、炎が影虎を焔を巻き込んで燃え盛る。

しかし一向に影虎に錆や溶けた様子が見られない。


「なんだよその刀っ...焔で溶かせない刀なんて...」


「不思議か?じゃあこいつはお前らの刀に対抗するために作られた。

つまりこいつの能力は(アンチ)変刀ということだな」


そう。この刀はラーマ氏が自ら打ち完成させた変刀の特殊能力に対抗するための刀。

変刀の影のように、しかし狩るときは虎のように。それが七本目の変刀、壊刀・影虎だ。


「それがどうした!俺たちは六人だ!それが六本全部に対抗するなら六本の力全部をぶつけて刀を叩き折ってやる。

対抗するための刀なら耐えられるだろ?」


ラトロは対変刀に限界まで攻撃を与えることで耐久力を無くして破壊しようというのだ。

たとえ対抗するための最強に等しい刀でも六本からの攻撃を一度に受ければ折れてしまうだろう。


「やってみろよ」


ハヤトは臆することもなく逆に挑発調を続ける。


「なめやがって...」


ラトロは奥歯をかみ締めて怒りの混じった声を出す。


「後悔しなせいぜいっ!!!」


六人が全員でハヤトにいっせいに襲い掛かる。

このとき何の打ち合わせもなく攻撃できたのは彼らの十年のチームワークの成果だろう。


そしてハヤトは六本の刀で受けきった。


「影分身の術」


忍びの高等忍術『影分身の術』。『分身の術』とは違い、自らの残像を見せるのではなく本当に影から分身したのだ。

視界はすべて繋がっているので六台の監視カメラを一気に見ているような感覚だ。


「ありえねぇ!同じ人間が六人もいるなんてっ!」


「不思議か?ああ不思議だろうな。この世は不思議で不可思議だ、同じ人間が六人?違うな。俺が六人なんだよ」


「こいつ狂ってるぜ」


「お前らだけ六人はずるいだろ?だから俺も六人になった」


「化け物が...」


やっとの思いで今の状況を的確に表す言葉を吐き出す。


「さてこの影分身はたとえ本体(オリジナル)を倒そうが消えることはない。この分身たちは命尽きるまでずっとお前たちを狙い続ける」


「小賢しい真似をっ...」


「じゃあさらに小賢しいことに俺が仕掛けた罠の位置をかいた地図はこいつらが持ってる。こいつらを倒さないとお前らは

『怖くて動けませ~ん』っていう状態だ。

というわけで六対六のバトルとしゃれこもうや」


「俺本体もらい!」


「ラトロッ!」


ヴォルールの静止など無視してラトロはハヤトととの戦闘を開始する。


「仕方ない。このままでは手が出せない、われわれもやるぞ」


ハヤト(分身)は戦いやすいようにそれぞれ散らばってうまい具合に六対六を作る。


「生き残るのは誰かな?」


(これ。主のほうがよっぽど犯罪者じみてないだろうか)


烏のいうところもまったくである。街を爆発、さらには六対六のサバイバル。

あまりにやってることが無茶苦茶だ。


「こいよラトロ」


「ずっと楽しみだったよ。俺とお前だけで殺しあうのがっ!!!

灼刀・焔」


灼刀は再び業炎を吹き上げる。


「お前を燃やせば刀の力ななんて関係ない」


ラトロは肩口から体の捻りも加えて振り下ろす。しかしハヤトは体を横に動かすことで避わしたあと頭に向けて突きを入れる。

ラトロが咄嗟に顔をそらしたことでギリギリ、ハヤトの刀がラトロの髪を少し斬りおとす。

さらに避けて体勢を崩したままラトロは刀を最大限の(リーチ)さで振り上げる。


その攻撃もハヤトが刀を縦にして防いだことで刀を滑る結果となりさらに隙を作ることとなった。

ハヤトは落ちていくラトロに対して真上からの上段斬りで思い切り振り下ろす。

ラトロもそこは戦闘技術を持つものだろうか。どうにか受け止めるが圧倒的劣勢に立った。


「おいおいどうした?俺を殺すんだろ」


「言われなくてもやってやるよっ!」


ハヤトの腹を蹴り上げハヤトに避けさせることで鍔迫り合いから抜け出す。


「本番はこれからだよっ」


そこからお互いに斬りあうが一進一退、決定打となる一撃を入れることができないでいた。

そして。


「これで終わりにしてやる」


「終わりになってさせないよ!こんなに楽しいのは久しぶりなんだからァァァ!!」


「明鏡止水」


武器破壊を目的とした忍びの技の一つだ。今握った刀は変刀を壊すための刀つまり

明鏡止水による武器破壊ポイントを探り攻撃がもっとも有効的な攻撃となる。


「灼刀・炎熱」


焔がさらに炎を吹き上げて刀身がさらに太くなっていく。


「ハヤトォォォォォォォォォォォォ!!!!」


「ぶっ壊れろォォォォォォォォ!!!!」


二人の技がぶつかる。


___ピシッ。


ラトロの灼刀が砕けた音がした。

そして。


「俺の負けだ...」


口から血を吹いてラトロはひざからがくりと倒れた。


「まずは一人」


残りは五人だ。










作中で誰がしゃべっているのかわからないところは六人のなかの誰かが代表してしゃべってると思ってください。

ちょっとばかりボリュームあがりましたが気にせずよんでください。

朝までにもう一話いこうかと予定してます

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