表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪われた少女の最終兵器  作者: 水蘭
第一章 
10/11

第十話

「君と戦いたいんだ!」

デスヴァーによるラブコールに、凛さんは若干戸惑ったがすぐ冷静を取り戻す。

「申し訳ないけど、今ここで戦うつもりはないわ。

あなた、デスヴァーって人でしょ?聞いたことあるわ。

そんなに勝算が無い人と戦う勇気は今の私にはない」

凛さんが堂々と、ほとんど負けを宣言しているかのような口ぶりで話す。

だが、これでいいのだ。

しっかりと戦うのは嫌だと伝えないと、この状況では戦うことになってしまうだろう。

「ふーん…それで本当にいいのかい?

早く試してみたいだろう、覚醒の力。

君は見た感じ制御して間もないみたいだし、俺が初めての相手になってあげてもいいんだよ?」

「私の、覚醒の力…」

「じゃあゲームしようよ。

もし俺が勝ったら、違う意味で君の初めてを――」

「ふざけるな、下衆が!」

戒省が声を荒げる。

「あ?誰が下衆だって?

ちょっとお前には、お仕置きしておかないとねぇ…」

「俺はお前と戦うつもりは――」

「そんな甘いこと言ってんじゃねえよ。

今ここでいきなり仕掛けることも本当は出来るんだぜ?

でも俺はしない、何故ならそれは卑怯だからだ。

俺だって正々堂々と戦いをやりたいんだ、そうは思わないか?

それなのに、素直に言ったら避けられる。

これっておかしいだろ?

俺は本気を出せばここにいる全てのヤツを殺すことだって出来るんだぜ?

だけどわざわざ俺は宣言してやっている。

つまりお前らは俺に生かされてるってことだ」

「それとこれとは別だろう…

お前なんかがいなければ、お前に生と死を選択させられる必要もなかったってことだ。

そこまで言うなら戦ってやるよ」

「やめて、戒省!」

「想來…大丈夫だ、きっと生きてるさ」

「きっとって…本当に死んでしまったらどうするの!?」

「そのときはそのときだ…

それに、今あいつの誘いを断ったら恐らく全員殺される。

そんな中で戦わないわけにはいかないだろう?」

「おお、かっこいいねえ…

それじゃ、始めようか…肉体強化!」

デスヴァーの体がまるでオーラを浴びたように光る。

「外部に現れるほどの凄まじい魔法…流石デスヴァーだな」

「でもこれ、やる気がないときは全く役に立たないんだよねぇ...

今は滅茶苦茶やる気だから大丈夫だけど」

デスヴァーが薄笑いを浮かべて見つめる先には、やはり戒省だった。

「だけど...負けるわけにもいかないんだ!肉体強化!」

戒省が肉体強化をする。

デスヴァーのように外部をに現れたりはしないが、表情に圧倒的な自身。

何より、殺気が溢れている。

どちらとも全世界で有名ということもあって、魔力が高すぎる。

遠くから見てもわかるほど、強すぎる力。

「デスマジック追加!」

デスヴァーが自身のオリジナル魔法を追加する。

デスマジックとはよくわからないが...一体どんな魔法なんだろうか。

予想すらつかないその魔法に、少し戸惑う。

だが戒省はそうではないようだ。

「デスマジックか...懐かしいな」

「懐かしい?僕は君とやった覚えはないよ」

「前仮想デスヴァー...つまりお前をイメージしたクローンみたいな奴とやったことがあるからわかる」

「ああ、そいつね...本当に僕と戦ったけれど、やっぱり本物には及ばないね」

「...そいつとやったのか?」

「あっという間だったよ、あいつの魔法と俺の魔法を一緒にしないでくれるかな」

「あいつは俺の仲間だった...悲しいよ」

「お前は偽善者か?

自分は平気で人を殺すくせに、自分の仲間を殺されるとまるで普通の人間のように感情的になって...」

「何が悪い!」

「はは、開き治った...いいから早く、魔法見せろよ」

「マスターブレード追加!」

戒省の手に、大きい剣が握られる。

「マスターブレードか...

みんなよく使ってるよね、俺も使ったことあるけどとても使い勝手がいい。

でも俺...それ使ってたヤツに、負けたことないんだよね?」

「じゃあ俺が、こいつを使って初めてお前を倒した人ってことだな」

「大口叩くねぇ、よくそこまで言えるもんだ。尊敬するよ」

「いいから早く始めようぜ…」

「俺もそのつもりだよ、もちろん…

体が楽しさで震えてるからね!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ